キャラお借りしました。
キャラ崩壊・捏造、性描写・性転換注意。
「……クッソ、何なンだよ一体……!」
最早いつものこととなっているような気がしないこともない悪態をつきながら、ネロは森に開けた散歩道を歩いていた。否、歩いていた、という表現は間違ってもいないが、正しいとも言い難かった。走っているとも言い難い速さだったが、歩いていると表現するには足取りが忙しない。一つ間違えるとまろびそうな落ちつかなさだった。
その様子自体傍から見ると奇妙な印象を与えるものだったが、もし彼を見咎める者がいたとすれば、もっと別の部分が引っかかってのことだろう。
「……アンタ、どうしたのそれ?」
丁度霧から現れたところに鉢合わせたシリアが、疑問の念を抱いたように。
「げ、……お前、なンでこンなとこに」
「別にいてもいいでしょ。っていうか何、どうしたの本当にそれ」
シリアを一目見た瞬間、ネロの腰が一気に引ける。かと言ってその場を走り去ることもできず、逡巡する彼の手をシリアが捕まえた。
「ッ、離せ! なンでもねェよ、あっち行ってろ」
「何でもないんだったら別にいいじゃない」
ねえ、と捕まえた手首をがっちりと握り込む。焦りに歯噛みしたネロがその手を振り解こうとすれば、シリアはその目を真正面から見つめて一言、言い放った。
「……また、あたしの手を振り解くんだ?」
「――ッ! な、――う、わッ」
凍り付き、立ち尽くしたネロの腕をシリアはこれ幸いとばかりに引っ張った。前のめりに傾いだ身体を抱き込むと無遠慮に服の上から彼の身体に手を這わせる。もともと彼はシリアには大した抵抗ができないし、いつもより小柄な身体での控えめなそれを封じることなどシリアには容易かった。
そう、シリアが抱き込んだネロの身体は、普段の彼よりも一回り小さく細かった。
そもそもが彼に訪れた身体の変化というものはそれだけではなく。
「ふっふーん、捕まえた。……っていうか何よコレ、なんでアンタ女になってるわけ」
「うる、せ、なんでって、こっちが知りた……ッ、やめ、離、し」
「ふーん。まあ別にいいけど」
ネロの制止を気に留めるシリアではない。背中に左手を回して抱き寄せながら、右手でその身体をまさぐる。胸を胸で圧迫される慣れない息苦しさに、力無くもがくネロの眉が寄った。
シリアの右手は脇腹を撫でるように伝ってネロの腰へと到達した。もともと細く作られていたそこは、女へと変えられたことでさらに細くなめらかな曲線を描いていた。その曲線を、女の繊細な掌が下方へと辿る。細い指先が撫で回した臀部からは男だった頃の薄さが失われており、柔らかく目立つようになったそこの感触をシリアは楽しんだ。
もちろん、触られている方のネロとしてはたまったものではない。
「オ、イ、変なとこ触ンな! ッつーかお前、さっきから何してン、だ、……ッひァ!?」
「アンタがこんなに面白いことになってるんだもの、触ってみたくもなるわよ。胸まで立派になっちゃってさ」
「〜〜ッ、ぅ、や、止めッ」
右手で細い腰を抱えてネロを拘束し、空いた左手でカッターシャツをはち切れんばかりに押し上げていた豊満な胸を鷲掴みにする。乱暴な手つきに上がった悲鳴はかつてのそれより高く、シリアは自然、その音色に嗜虐心を刺激された。細い指を柔らかな膨らみに食い込ませながら、自然と赤い口元が笑みを形作った。
胸を揉みしだいていた左手できちんと締められていたネクタイを引っ張るようにして解き、閉じられていた縦縞シャツの前を開ける。一つ、二つをボタンを外して、露わになった白い肌へと滑り込ませようとした。
しかしその手は掴まれた。肩を上下させたネロの、慌てたような制止。
「……てめェ、何考えてンだこの馬鹿! ここはなァ、モニタあンだぞ! なンつーもン実況さす気だ!」
「あらそうだったの? 知らなかったわ」
早く言ってくれればよかったのに、と事もなく言い放った彼女は、同じくらいあっさりとネロに解決策を提示してみせた。
ただし、彼女にとってのみの解決策、だったわけだが。
「ッう、わ!?」
「ほら、これで問題ないでしょ? 良かったわね」
「ば、ッか、全然、良くなンか、……ッあ、くッそ……、ふ、うあッ……!」
モニタカメラの位置を確認すると、木々の生い茂る中へと抱き込んだネロを引きずり込んだ。カメラにとっては完全な死角となった場所で、唐突な展開に相変わらずろくな抵抗も出来ないでいた身体を反転させ、背中側から滑り込ませた手で生乳を握り込む。柔らかい弾力を楽しみながら空いたもう片方の手では忙しなく彼の服を脱がせていく。
ベストとシャツの前を完全に開けたところで、シリアはネロの肩を掴んで木へと背中を預けさせた。向かい合う形になって、改めてネロの身体をまじまじと観賞する。
ぐったりと力無く背後の木に凭れる身体は薄く色づいており艶やかで、充分過ぎるほどに肉感的である。脱がされかけの服がもともとの男物であることも、妙な倒錯感から来る色気を醸し出していた。
「……私より大きいんじゃないの? 傷つくわね」
「ンな、知るか――ァ、ひ、ゃあッ!? んっ、ぅ、〜〜ッ!」
「感度いいし……」
片手ではとても収まりきらないサイズの胸を強く揉みつつ、先端の赤い飾りを爪で軽く引っ掻いてやる。同時に赤く染まった耳を啄むように甘噛みしては息を吹き込み、気まぐれに舌で舐め上げる。胸を弄り倒す手は止めず、耳から顎へ、首筋から鎖骨までをゆっくりと、時折赤い印を刻み込みながらじっくりと舌を這わせていく。
「ン、ふァ、は……っ」
与えられる刺激一つ一つに反応して震える様子は見ていて小気味よく、だからこそシリアは彼に対する責めを緩めはしなかった。気に入りの玩具を使い倒す無邪気な子供のように、行為に没頭する。
玩具にされている当本人はと言うと、完全に木に身体を預けた状態で精一杯に顔を逸らし、ただひたすらにシリアからの愛撫に耐えていた。言葉を呑みこむのも声を潜めるのも苦手ではなかったはずなのに、どうにも上手くいかない。触れられるたびに全身を走る未知の感覚に漏れる高い声も自分のものではないようで、実際女の身体にされたせいで声自体ややハスキーなものに変わってしまっているのだけれど、その声を出しているのは紛れもなく自分であるのだと、そう考える度に顔から火が出そうだった。
そもそもこの状況自体、他に比べようもないほどに恥ずかしいものであるのだけれども。
「は、ァ、ふ……ッ、あ、はぁッ、……?」
双丘までもを舌先で辿り所有印を刻み込んでいた責めが唐突に止まり、ネロは息を整えながらも訝しげにシリアを見降ろした。視線に気付いたシリアが顔を上げ、悪戯っぽく笑う。
「なに? 続けて欲しい?」
「ッ! ンな、何馬鹿なコト言ッ、〜〜!」
「あ、いいこと思いついた」
からかうような問いを慌てて否定したネロの言葉を、シリアは片手で捩じ伏せた。潰さんばかりの強い力で胸を握り締め、息を詰めて耐える様子を舌なめずりして眺める。
その一方で彼の太腿のホルスターに手を伸ばし、その中に収められていた銃を抜き取った。
シリアの掌の中で黒光りする凶器を目にして、ネロの上気した頬に緊張が走った。流石に見咎めてシリアに何度目とも分からぬ抗議を繰り返す。
「――!? く、うァ、止め、何しようッてンだ、この……ッ!」
「いいこと思いついた、って言ったじゃないのよ。いいから見てなさい」
慌てて銃を奪おうとした力無い掌を軽くあしらいつつ、シリアは慣れた手つきでベルトを解いてズボンの前を寛げた。その下に覗くのは当然ながら男物の下着で、けれどその下に覆い隠されているのは紛れもなく成人女性のそれである。
「ッい、コラ、止め、そっちは、いい加減、に……!」
「なによぉ、これからが楽しいのに」
銃を握った方の腕で逃げる細腰をがっちりと抱え込み、空いた方の手で下着を引き下げ、露わになった秘裂を指先で撫でる。
二人の耳を打ったのは、紛れもない卑猥な水音。
「〜〜〜〜〜ッ!」
「……ぷ、あは、あははははっ」
その音が聞こえた瞬間ネロの顔がこれ以上ないほどに赤く染め上げられて、それを目の当たりにしたシリアは思わず声に出して笑ってしまっていた。目も合わせられないような様子の彼が馬鹿らしく、いじらしい。
「い、今更……っ! 今更そんな恥ずかしがっても、っていうか、ぶっちゃけ確かめるまでもないじゃない、ば、馬鹿みたい……!」
「ッな、おッ前、馬鹿ッて、言うに事欠いて人のコ、――い、うッぐ、あああッ!?」
その時上がった悲鳴は色や艶を含まない、純粋な苦痛を訴える悲鳴であった。
シリアは左手に握り込んだ銃のバレルを媚唇へと無造作に突き込み、膣内を乱暴に抉り込んでいた。
「は、ァぐッ、う、テメ――あ、がッ……ッうぁ!」
「ごめんごめん、あんまりカワイかったんだもの。意地悪したくなっちゃったわ」
殊更に軽く、シリアは笑った。
途切れ途切れの悲鳴の間に、反駁の声すらも掻き乱される。中から食い荒らされるような激痛に立つことすらもままならず、ネロは身体をくの字に曲げてシリアの肩を縋る。それでも沈みそうになる身体、身動きする度固い銃身が内側からネロを抉った。
「ッ、は、テメェ、……ッ、人の武器、勝手に、何、つーコト……ッあ、いッつ、う……! ッ、ふ!?」
「だって、自分の愛銃こんなことに使えないでしょ?」
絶え間なくネロの胎内を銃で掻き回しながら、シリアは縋りついてきたネロの耳に噛みついた。痛みに震える身体を宥めるように片手で辿り、柔肉の表面をなぞるような優しい愛撫を与えてやりながら、時折指先で突起を摘まんでは捻る。口で耳を嬲りつつも両手は休めず、それは刺激を与えられているネロの方も同様だ。
休む暇もなく、ひっきりなしに咽喉を鳴らす。
「ッう、くッあ、あァ、……いッ……うあ、は……ァ、ッ!」
「ほら、段々ヨくなってきたでしょ」
「ィ、何、言ってやが、――ひァ、あ、くッ……!」
シリアの指摘を、ネロは最後まで否定することが出来なかった。
口先だけの否定は愛撫で遮られ、そして実際に上がる悲鳴が徐々に艶を帯びていたことは間違いなかった。それをあげつらってシリアが嗤う。
「ねぇ、アンタさ、前あたしのこと、尻軽って言ったじゃない?」
「ッひう、な、いきなり、なンの、コ、〜〜ッ」
「言ったわよね。それでね、あたし思うんだけど」
一方的に念押しして、一方的に話を進めるシリア。
その間にも押し込んだ銃でネロの中を繰り返し突き上げる。がくがくとくずおれそうに震える膝は、痛みばかりが原因ではない。むしろ。
「アンタも十分、尻軽の素質あるんじゃない?」
「――は……? ッ! ひあッン、ッく……あ、なン、でそンな、」
「だって、ほら」
「ッひ、ふぁ!?」
したり顔のシリアが一際強く銃で膣壁を擦り上げると、シリアに縋る身体が一際大きく跳ねた。
同時に上がったあられもない声に恥ずかしげに眼を瞠ったネロが口元を押さえようにも、シリアに縋り付いているために手が塞がってしまっていた。この手を離しては、笑う膝で身体を支えることが出来なくなる。
それをいいことに、シリアは好き勝手にネロの身体を嬲る。
「こんな風に銃突っ込まれてヨガるってだけで、充分尻軽じゃないの?」
「!? ひッ、……ンな、こと言われ……ッ、ても! そンなン、テメェが色々触ッ、……ッふ、んぅ……ッ」
「へー、じゃあさ」
シリアは人の悪そうな笑みを浮かべると、ネロの乳房に這わせていた手をぱっと離した。耳を食むのも止めて、ただ片手に握った銃を動かすことに専念する。
「このままアンタのこと、尻軽だって証明してあげるわよ」
「な、ンで、そうなる!?」
「人を尻軽呼ばわりした責任を取りなさいってことよ」
答えになっていない答えを返しながら、シリアは銃をネロの奥深くまで突き込んだ。ただ乱暴なだけのようでいて、彼の中を辿りなぞり、敏感な場所を探して何度も同じ動きを繰り返す、その度耳を塞ぎたくなるような激しい水音が響く。銃を握ったシリアの手は既に粘性を持った透明な滴でぐちゃぐちゃに濡らされていた。
口元に笑みを張り付かせて同じ行為を何度も繰り返すシリアの目には、取り憑かれたような色すら窺えた。
「……ね、さっきから痛いんだけど」
「ひ、ィあッ、るッせ、ェ、……うあ、ァ――ッく、ひぅ、あッ」
先程からずっとシリアの肩に縋りっぱなしのネロの手は、震える身体を支えるために、襲い来る快感を耐えるためにと無意識のうちに縋る力を強めていた。シリアの白い肩に食い込むほどの力で、彼女は思わず顔をしかめた。意趣返しと言わんばかりに勢いよく銃身で彼の身体を抉る、ただそれだけの単純な作業で甘やかな嬌声が響き、肩に縋る力が強まる。
だから、痛いと言っているのに。
「ふ……ッ、あ、は……ァ、う、ッ――ッひ、い、あァッ!?」
「? あら、今のとこヨかった?」
「〜〜ッ、馬鹿ヤロ、何言ッ……ッふぁ、うっ!」
「……へぇ」
イイトコロ発見、と耳を軽く噛みながら甘く囁いてやると硬直する身体、面白いほどの反応にもう一度揺さぶりをかけてやると依然として高い喘ぎが彼の口から漏れた。
打てば響くように返ってくる反応というのは、いつでも興味深く愉快である。ことにそれが、情事の場であれば尚更のことだ。
「……ッあ! ひァ、あ――ッ、ぅあ! んう、ッふ、や、ああっ! あ、んんッく、うく、ふ……ッあ、あァ、うあ――、……?」
敏感なところばかりを集中的に狙われ、度重なる責めによって限界ぎりぎりまで高められた意識が灼き切れそうになる――その寸前で手を止められ、現実に引き戻される。思わず上げた顔、今度はシリアを見上げる形となり、ネロを見降ろしていたシリアと目が合った。
酷く愉しげな表情で、彼女が口を開く。
「……イきたい?」
「……は?」
思わず間の抜けた声を漏らしたネロに、シリアは念を押すように告げた。
「イきたいかって聞いてるの。お願いされれば、ちゃんとイかしてあげるわよ?」
「〜〜!? な、お前、何言って、――ひッあ!?」
不意に揺さぶられて、ネロの身体が跳ねる。シリアは言い聞かせるような声で追い打ちをかけながら、連続で彼の胎奥を掻き乱し続ける。
「ちゃんとお願いしないと、ずっとこのまま生殺しよ? 辛くない?」
「な、ァに言って、あ、ふ……ッ、テメ、ェ、何がし、た、――ッ!」
「いいじゃない、尻軽らしく可愛くねだってみなさいよ?」
「ひァ、ふッ、ざけンなッ、……く、ふぅ、あ……!」
休む間もなく突き上げられる、男であったころには有り得なかった刺激。全身を駆け巡る電流のような快感も自分が知っていたものとは異なり、まとわりつくような後を引く高揚感に苛まれて何が何だか分からなくなる。自分の中で昂ぶっている熱のやり場が分からず、吐き出したくても吐き出す先が見つからず、なんとか解放されそうになる度に意地悪な手がそれを引き留める。
追い詰められた果ての堂々巡りで、何処に行けばいいのか全く分からない。
「ッか、ふぁ、あ、ッは、……う、〜〜〜〜〜ッ」
「え? ちょっと、なんで泣いてんのよびっくりするじゃない」
膣内に突っ込まれた銃と掌に身体を、堂々めぐりの思考に頭を、それぞれ好き勝手に掻き乱されていたネロは、シリアに指摘されて初めて頬を濡らす温かい感触に気がついた。全身が熱くてどろどろに蕩かされそうな中で、その温かさは奇妙に心地よい。適度な生温かさに、心が安らぐような気がした。
その安らぎなど、一時の気休めにもならないものだったけれど。
「る、せェ、……ッつか、だッ、たら、手、止めッ……ッあ!」
「それは、やだ」
シリアもまた頑なだった。熱に浮かされたネロの身体を容赦もなく嬲り、かと言ってぎりぎりの寸止めを保つ。慣れ切った巧みな手管で、彼女の経験の豊富さを示していた。それにしたって、銃を膣内に突っ込むようなことは今までそうそうあることではなかったろうが。
「絶対認めさせてやるんだから。大体なんなのよこのエッロい身体、もともと男のくせにムカつくのよ」
「ゃ、うぁ――誰が、好き好んでこン、なッ、……ひ、ィあ、ぁ……ッ!」
「それに今、私、銃以外でアンタに触ってないんだけど」
空いた方の掌をネロの目の前で振ってみせる。ぎりぎりまで焦らされ、がくがくと朧ろげな目つきのネロがそれを捉えられたかどうかは定かではなかったが。
既にネロの身体は十分すぎるほどに出来上がっていて、あと一度、たった一度だけ特に敏感な個所を触れられてしまえばそれだけで達してしまいそうな有様だったが、シリアはその境界線を確かに見極めて彼に絶頂を許さない。
完璧に主導権を握っている優越感に、シリアは間違いなく酔いしれていた。
「それだけでここまでキちゃってるんだから、結構なかなか、スキモノよね? アンタ」
「……ッは、知、るか……よ……ッ、ん、くッう……」
「……ったく、物欲しそうな顔しちゃってるくせに意地張っちゃって」
とはいえ正直、ここまで粘られるとは思っていなかったシリアである。さっさと音を上げてくれると踏んでいたのだが、思った以上にネロは強情だった。苦しげに顰められた眉も、息を呑んで逸らされる咽喉も、桜色に色づいた身体も、その全てが解放を求めて喘いでいるのに、意思だけが折れない。屈服しない。
「……全くもう」
そもそもがここで折れるような相手だったとしたら、自分との関係もここまで拗れなかっただろうなと思う。
「――強情、なんだから!」
「!? ふぁっ――ッ、や、あぁッ!?」
シリアはネロの耳元で小さく叫ぶと同時に、中を蹂躙し尽くした銃で彼の一番弱いところを力任せに擦り上げた。ぎりぎりの境界線を一気に破られ、ネロの身体は抑えようもないほど明らかに痙攣した。
「ッ、あ、あぁぁぁ……ぁッ……!」
瞼の裏がスパークして、目の前の世界が見えなくなりそうだった。快楽の波が全身の神経を伝わって広がり、全身が、それこそ指先までもが性感帯であるかのような錯覚を抱いてしまいそうになる。痛いほどにシリアの肩を掴んでいた指先が力無く解け、ずるりと滑り落ちた身体を支えたのはシリアの腕だった。達したばかりの身体は支えられる、ただそれだけの刺激にすら反応してしまう。
「……ッ、ふ、ァ」
「もう……アンタ、尻軽っていうより淫乱よね、いっそ」
落ちかけの身体を支えてやりながら、シリアは呆れたようにネロを見降ろしてそう評した。悔しげに眉を寄せていたネロの蒼い瞳が、その評に瞠られる。
「いン、ら……ッ!? ……、だァら、さっきから変な、認定ばっかすンじゃ、ねェ、――lッひ、は、ぁンッ!?」
「認定じゃないわよ、確信だもの。……ほら、抜いただけでこんなんなっちゃうし、銃はどろどろだし」
「……ッ、はッ、あ、……ッ」
認定だろうと確信だろうとそっちの勝手な判断だろうとか、そっちが突っ込んどいてそれはないだろうとか、色々と言いたいことがネロにはあったが、完璧に腰砕けになって地面しゃがみこんでしまった状態でそのような言葉が形として出るはずもなかった。
そんなネロに対して、シリアは愉快そのものといった表情で自分の掌と握り込んだ銃を見せつける。
「ほら、ちゃんと見なさいって。アンタのでどろどろよ? 銃も、あたしの手も」
濡れそぼって厭らしく光る銃をしゃがみ込んだ足元に投げつけられて、ネロは思わず目を逸らした。かわりに恨み事を紡ごうと開いた口に、シリアの指先が突っ込まれる。
「――ッ!? ん、ふッ……な、何すンだこの、」
「だってこんなに汚れちゃったんだから、ちょっとはアンタにも綺麗にしてもらいたいかなーって」
シリアは軽く笑い飛ばすと、取り出したハンカチで掌の透明な液体を拭った。それを折り畳みながら、座り込んだままのネロへと顔を寄せる。
にんまりと、愉しげなことこの上ない笑顔だった。
「ねえ、アンタ、立てない? 立てないわよね?」
「……ッ、誰のせいだ、オイ」
上機嫌極まりないシリアに対してネロは不機嫌だった。不機嫌と言うよりは、出来ることならば今すぐシリアから離れたいというような、そういう表情だった。
けれどあまりにも長い間好きに弄ばれ、抜けてしまった腰ではそれも叶わない。その腰をシリアが抱え込み、そして肩に担ぎ上げた。
「ッ!? お前、何して――離せッ!? ッつか、下ろし、ッ」
「どうせ立てないんだから、こんなところに放置されても困っちゃうでしょ? ちゃんと持ち帰って面倒みたげるって言ってんのよ、感謝しなさいよ?」
「な、……ッ余計な御世話だ! ふッざけンな、これ以上好き勝手されてたまッかよ!」
「ハイハイ、分かった分かったわよ。だからそんな喚かないでくれる? 耳が痛いわ」
「分かってねェだろ! ッ、オイ、本気で止め、聞いてンのかァ!?」
端からネロの言うことだけは素直に聞きたくないと考えるシリアである、いくら彼が喚いたところで止まろうはずもなかった。
片手では銃を拾い上げ、もう一方の掌ではもがく細い身体を担ぎ支える。そのまま悠々と、まるで戦利品を持ち帰るかのような足取りで、シリアは霧の中へと消えた。
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抜けないエロに定評のあるさかなさんですがとりあえずネロさん犯したかったけど子種植え付けられなかったのでいつかリベンジしたいです♂