GM:はーいそれでは
GM:シノビガミセッション「神様のヒマ潰し」第六夜
GM:始めていきましょう。
GM:よろしくお願いします!
噪天 迅:よろしくおねがいしまーす!
鴗白翔:よろしくおねがいしまーーーーーす
御薗 荷座:よろしくお願いします
御厨 天音:よろしくお願いします!
GM:えーと前回のあらすじ
GM:御薗さんが脱落しまして、残るは1ラウンドそして三人。
GM:生命点レースで最前列をひた走る白翔くんが果たしてプライズをもぎ取れるかどうか、
GM:というところにかかっていますね。
GM:というわけで。
GM:笑っても泣いても最終ラウンド、
GM:6ラウンド目のプロットを、お願いします。
噪天 迅:影分身を宣言
鴗白翔:OK。
GM:判定どうぞ
御厨 天音:OKです。
噪天 迅:2D6>=6 (判定:香術)
ShinobiGami : (2D6>=6) → 3[1,2] → 3 → 失敗
噪天 迅:ここで外すか…
GM:こ ここに来て
GM:では素でプロットを。
御厨 天音:これは完全にプロット読み合戦……
噪天 迅:ここで外すかてめェーーーッッッ!!!
噪天 迅:ちょっとまってくれなー
GM:がんばって
御厨 天音:がんばれ……迅さんがんばれ……!!
噪天 迅:…ok!
GM:はーいそれでは
GM:オープンプロットお願いします!
どどんとふ:「鴗白翔」がダイスをオープンしました。出目は3(6面ダイス)です。
どどんとふ:「御厨 天音」がダイスをオープンしました。出目は4(6面ダイス)です。
どどんとふ:「噪天 迅」がダイスをオープンしました。出目は1(6面ダイス)です。
GM:■クライマックスフェイズラウンド6 プロット4:天音 3:白翔 1:迅
GM:そうなるよねえ。
GM:ではプロット4,天音の行動から。
噪天 迅:まあねえ。
御厨 天音:お待たせしました!!白翔さんに……竜胆!!
GM:判定を!
御厨 天音:走って、走って、追いついて。
御厨 天音:名を叫ぶ。
御厨 天音:「白翔!!」
御厨 天音:「迅さんばっかり見てないで」
御厨 天音:「こっちを」
御厨 天音:「見なさいよ!!」
御厨 天音:2D6>=5 (判定:意気)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 8[3,5] → 8 → 成功
鴗白翔:2D6>=7 (判定:調査術)
ShinobiGami : (2D6>=7) → 5[1,4] → 5 → 失敗
鴗白翔:見る。
鴗白翔:「……それで、」
鴗白翔:何だよ。何だよ、別に後だっていいだろ、
鴗白翔:——あとは、ないのだ。
GM:これは
GM:通しですね?
鴗白翔:通します。
GM:OK。このままだと接近戦が3点ですが。
御厨 天音:回想シーンを切ります。
GM:どうぞ!
御厨 天音:
御厨 天音:——白翔に挑み始めて、暫く経った頃。
御厨 天音:どうして何度も何度も挑むのか、と御薗に訊かれたことがある。
その日もこっぴどく負けて、確か腕の傷の手当てをしてもらっていた。
御厨 天音:「うーん……悔しいから、かなあ?」
御厨 天音:幼い頃は胸の内のもやもやを上手く言い表せなくて、そう答えたことを覚えている。
御厨 天音:
御厨 天音:負けを重ねる度に、共に過ごす内に、その"悔しさ"が何か分かった。
御厨 天音:悔しかった。何度やっても勝てないことが。
御厨 天音:悔しかった。己の実力不足が。
御厨 天音:悔しかった。——届かないことが。
御厨 天音:彼が神であると、認めたくなかった。
御厨 天音:だから、見てもらいたくて。引き摺り下ろしたくて。がむしゃらに頑張った。
御厨 天音:自分のため、家のためでもあったけれど。
御厨 天音:でもきっと、全部、彼のためだった。
御厨 天音:彼と一緒に、人として、生きるためだった。
御厨 天音:
御厨 天音:・秘密:
あなたは超然たるPC2に負かされ続ける一方で、誰よりも近くで触れ合い、PC2が当たり前に笑う姿を見てきた。
あなたはPC2が神などではなく自分たちと同じ人間であることを信じている。
それを証明するためには、PC2に敗北というものを教えてやらなければならないと思っている。
あなたの本当の使命は【PC2が人間であることを証明する】である。
御厨 天音:
御厨 天音:そのためには。そのためなら。
御厨 天音:「あのね、迅さん。協力してほしいことがあるの」
御厨 天音:胸が潰れるような思いだけれど。犠牲を厭わないと、彼女は覚悟を決めた。
御厨 天音:
御厨 天音:「これが百日紅。あれはノウゼンカズラ。ブラックベリーに……」
御厨 天音:「……」
御厨 天音:「白翔、楽しい?」
御厨 天音:「私はね、すごく、楽しいわ」
御厨 天音:夏の花を見た。秋の花も、冬の花も、春の花も彼と一緒に見たい。
御厨 天音:この世界には、人の世には、綺麗なものがあることを教えたかった。
御厨 天音:
御厨 天音:終わりなんて認めない。
御厨 天音:だからこそ、今日は絶対、絶対に、
御厨 天音:「——負けるわけにはいかないの!!」
御厨 天音:しゃらんと一際高く、杖が鳴る——が、振り回した錫杖は囮だ。
御厨 天音:そのまま地にぶつけて、勢いをつけて跳び、白翔に突っ込むように。
御厨 天音:手には苦無。
御厨 天音:回想シーンの効果、ダメージ上昇で。
GM:接近戦3点と射撃戦1点ですね、分野ダイス3D6を。
御厨 天音:3d6
ShinobiGami : (3D6) → 8[2,3,3] → 8
GM:体術と忍術とあと2分野。
鴗白翔:端っこ以外で。
GM:了解です。そのまま白翔さんの行動へ。RPしつつ。
鴗白翔:それが人間のすることなら、一度くらいはもらってもいい、と思ったのだ。それだけ。
鴗白翔:それが神のすることなら、ちょうどいいヒマ潰しだ。
鴗白翔:兵糧丸使います。
鴗白翔:謀術回復。
GM:了解
鴗白翔:「……おれが、おれであるために」
鴗白翔:「俺が俺であるためなら」
鴗白翔:「——手段は……選ばねえんだよ、御厨天音!!」
鴗白翔:いざ!尋常に!幻兵!!PC4!!
GM:どうぞ!
鴗白翔:2D6>=5 (判定:幻術)
ShinobiGami : (2D6>=5) → 7[3,4] → 7 → 成功
GM:迅さんは回避を
噪天 迅:ほい ちょっとまってね
GM:えーと
GM:兵糧丸まだ切ってないですね
GM:のでここで使えます
御厨 天音:感情修正入れますよ!
GM:えーと
GM:幻兵使えないですね(……)
噪天 迅:うん…(
噪天 迅:私も今すごいびっくりした…(
GM:GMもうっかりしていました。
鴗白翔:恥ずかしいところを見せてしまったけどダイスがガバってなくてよかった(クソ感想)
GM:接近戦か範囲かな やるなら
鴗白翔:いいだろう いざ尋常に奥義撃ちます
GM:了解です えーと
GM:異形化か。演出を
鴗白翔:しくじった、とは思う。それはそれ、まだ勝ち目は。
鴗白翔:戯れで遊べる日が最後だというのなら、それで。
鴗白翔:あの神の顔を二度と見なくていいのなら、それで。
鴗白翔:——自分から目を潰したっていい。
鴗白翔:「……ぶっ潰してやる……クソ神……!!」
鴗白翔:《星乙女の生贄(アストライオス・スケープゴート)》
指定特技 :異形化
エフェクト:範囲攻撃/滅び/人数制限
効果・演出:いずれ神になる。その意味を具現化して、全てを滅ぼす。
GM:対象は?
鴗白翔:両方!!
GM:OK 破りをどうぞ 異形化から。
噪天 迅:破りってふたりともできるんよな
GM:できますね
噪天 迅:遠い自分からやっていいかな
GM:いいですよ
噪天 迅:ほい
噪天 迅:2D6>=11 (判定:意気)
ShinobiGami : (2D6>=11) → 9[3,6] → 9 → 失敗
GM:目はいい
噪天 迅:良い出目なんですけどね~~~~~~!!!!!!
GM:では天音ちゃんに。
噪天 迅:感情修正!!!
御厨 天音:ください!!
GM:オッケー +1ですね
御厨 天音:沈黙がついてそこに-1で……振ります!
噪天 迅:神に成る。——それは、今この世界に、この"神"が存在する限り、具現化する夢ではない!!
御厨 天音:神の。
御厨 天音:天音が信じる神の威光を背に、
御厨 天音:陣を結んだ。
御厨 天音:2D6+1-1>=6 (判定:兵糧術)
ShinobiGami : (2D6+1-1>=6) → 7[3,4]+1-1 → 7 → 成功
鴗白翔:「な、ん」
鴗白翔:「なんで」
御厨 天音:煌々と輝く結界は、人の身の攻撃など通しはせず、
御厨 天音:「だからっ」
御厨 天音:「こっち見てって言ってるでしょ! 白翔のばか!!」
鴗白翔:——何でそいつのことは信じて、俺のことは。俺のことは!!
鴗白翔:子供が駄々をこねるように、見もしない。全てから目を背ける。
鴗白翔:「なんで……なんで俺じゃないんだよ!!」
鴗白翔:「嫌いだ!!天音のことなんか嫌いだ!!もう知るか!!」
御厨 天音:「嘘つき!」
御厨 天音:「本当は私のこと好きなくせに!!」
御厨 天音:「私は白翔のこと好きなんだから!!」
鴗白翔:「今嫌いっていったら!!嫌いだ!!」
御厨 天音:「なのに置いていこうとして! ばか! わがまま!!」
御厨 天音:「ちゃんと、私のことを見てよ!!」
鴗白翔:「うるせえ!!お前に俺の気持ちが分かるかよ!!バーカ!!」
鴗白翔:——そこに天帝の眼が備わるのだったろう第三の眼だけが、天音を見ている。
御厨 天音:「分かるよ」
御厨 天音:「神様になるためにずっと頑張ってたことも」
御厨 天音:「私を護ってくれようとしたことも」
御厨 天音:「でも、私に忘れられるのが怖いってことも」
御厨 天音:錫杖を、武器を放り捨て。
御厨 天音:つかつかと歩み寄り、
御厨 天音:「全部分かってるよ。見てたんだから」
御厨 天音:無防備にも、その人の身体を抱こうとした。
鴗白翔:「……うー、……うう……ううう~~~~~~!!!!」
鴗白翔:拒めばよかったのかもしれない。拒む力は残っていなかった、と言い訳できるかもしれない。
鴗白翔:どちらでもない。
鴗白翔:抱きしめられて、わんわん泣き喚く鴗白翔というひとを、あなたは初めて見るだろう。
鴗白翔:もう終わりだ。終わってしまった。
鴗白翔:——後のことは考えたくなかった。
御厨 天音:「……私はね」
御厨 天音:「白翔が思うのと同じくらい、白翔のことを護りたいんだよ」
御厨 天音:背をさする。柔らかい声音は、あやすようなそれ。
御厨 天音:「あなたに生きててほしいの」
御厨 天音:「一緒に、生きたいの」
御厨 天音:——たとえそれが、短い時間だとしても。
鴗白翔:嗚咽。首を横に振るのは、どこに対する答えだろう。
鴗白翔:神になれなかった神見習いは、人の身のまま泣き続けている。
御厨 天音:「もしね」
御厨 天音:「私、がんばるつもりだけど……もし、私が白翔を置いていっちゃうのを、許してくれないなら」
御厨 天音:この身はきっと、長くは保たない。
御厨 天音:「……あなたが望むなら」
御厨 天音:ぎゅうと、背に回した手に力を込める。
御厨 天音:耳元で、ひそやかに告げる。
御厨 天音:「その時は私があなたを殺すから」
御厨 天音:場にそぐわない、綺麗な、笑顔だ。
御厨 天音:「安心して、ほしいな」
鴗白翔:肩で息をしている。泣き疲れた子供がすっかりおとなしくなってしまったように、——いや、まさにそうだったのかもしれない。
鴗白翔:神の子供は、疲れ切った様子で、天音に身を預けている。
鴗白翔:ひとつだけ頷いた。
GM:では
GM:一応処理だけ。クライマックス6Rが終わる前のタイミングで
GM:兵糧丸使う方は今宣言してください。
御厨 天音:使います。一応体術回復で。
噪天 迅:何の意味もないけどせっかくなので食べておきます 妖術で
GM:OK この時点で天音ちゃんの生命力の欠けが一番少なくなりますね。
GM:勝者は天音です。
GM:戦果は……本当は脱落した相手からしか取れないんですけど
GM:感情系に限り好きな相手に対して取っていいですよ。
御厨 天音:白翔さんから天音に愛情で……お願いします。
GM:了解
GM:
GM:こどもだったふたりは、たしかにその存在を、
GM:想いを感情を確かめた。
GM:古城に漂っていた神気は薄れ、静謐さだけがそこに残る。
GM:
GM:成人の儀はこれにて終着。
GM:天帝の眼が受け継がれることがなくとも、
GM:そう在るべく育てられた神が神と成らずとも、
GM:彼らはこうして、大人になった。
GM:
GM:世界の、
GM:終わる、足音が聞こえる。
GM:
GM:
GM:と、いうわけで。
GM:エピローグフェイズですね。
GM:今日のうちにやれる範囲はやってしまいましょう えーと
GM:……やっぱ迅さんからだよねえ?
噪天 迅:まあそうだよね
GM:では迅さんから行きましょう。
GM:
GM:■エピローグ:噪天 迅
噪天 迅:神は、背を向けて去りゆく——
噪天 迅:——ただ、「人」と「人」を、遺して。
噪天 迅:遠き昔に見た、世界の終末。再び相見えようとは。永き間隠し持っていた『眼』の感触を、再び手のひらで転がすように確かめた。
噪天 迅:——あのね、協力してほしいことがあるの。 今にも泣き出しそうな、しかし、覚悟を秘めた表情を、脳裏に思い浮かべる。
噪天 迅:「いえ。——いいえ。これで良いのです。自分がしでかした過ちを、自らの手で拭うのみ」
噪天 迅:終末に向けて、『天帝の眼』を掲げる。
噪天 迅:神(こんなもの)の為に、若様を振り回してしまった。ただ、その贖罪を今拭えるのならば———
噪天 迅:「——天よ」
噪天 迅:「この生命を、還します」
噪天 迅:———『天帝の眼』が光り輝く。
噪天 迅:強すぎる救世の力に、不出来なこの身体は耐えきれない。掲げた手のひらから、少しずつ、少しずつ消えていく。
噪天 迅:光が、世界に満ちていく。
噪天 迅:どこまでも真白で、純粋な光が世界を包み込み———
噪天 迅:———消えた光の中に、彼の姿は———
噪天 迅://
GM:ありがとうございました。
GM:
GM:■エピローグ:御薗 荷座
御薗 荷座:噪天迅の行く先を見る。世界を包む光とともに、彼の姿が見えなくなる。
御薗 荷座:そのとおり、彼は真なる神となり、かつての彼が果たし得なかった救世を果たしたのだろう。
御薗 荷座:それに対して、述べる言葉はない。何を言おうと、彼の成したことに対しては蛇足にしかならないと思う。
御薗 荷座:傷だらけの身体を起こし、立ち上がる。成人の儀をくぐり抜けた、2人の若人を見る。
御薗 荷座:「……おそらく、これで成人の儀は執り行われた、ということになるのだろう」
御薗 荷座:「であれば、私は先に戻る。報告などは、『必要な範囲』で行っておく。鴗家にも、"今回は"、必要であれば私から伝えておこう」
御薗 荷座:「後は、好きにすると良い。……ああ、天音」
御薗 荷座:「……お前の意思は、確と見届けた。……強くなったな」
御薗 荷座:そういうと、成人の儀の場を後にする。言葉どおり、色々な事後処理を済ませるのだろう。
御薗 荷座:また、予測される事態に備えて、準備しておくものがありそうだ。
御薗 荷座:そんな事を考えながら、その場を大人となった2人に任せた。
御薗 荷座://
GM:
GM:■エピローグ:鴗 白翔
鴗白翔:成人の儀は終わった。何が得られたかと言われたら、“何も得られなかった。”
鴗白翔:そう答えただろう、ちょっと前の自分なら。
鴗白翔:
鴗白翔:——鴗白翔には世の遊戯が分からぬ。
鴗白翔:引きこもり、神になるために研鑽をし、そして大人になった鴗白翔には。
鴗白翔:世の!!遊戯が!!分からぬ!!!
鴗白翔:「ん゛ん゛~……」
鴗白翔:人生で初めて本屋に行って選んだ旅行雑誌を見ても何もわからぬ。そもそも、鴗白翔は色盲である。
鴗白翔:色盲の中でも、錐体細胞をほとんど持たぬ、すなわちどの色もわからない色盲である。
鴗白翔:カラフルらしい雑誌の写真も、てんでさっぱり何も分からない。書いてあることで判断するしかない。
鴗白翔:まあ分からんは分からんなりに何とかなるか。携帯を取る。
鴗白翔:『(写真)ここにしようと思うんだけど』
鴗白翔:——もちろん、相手は、御厨天音。
鴗白翔:
鴗白翔:鴗白翔は色盲であり、ついでに眼白皮症でもある。要約すると、夏にでかけたくない。
鴗白翔:それを押して選んだのが、海だった。海の近くの温泉。水族館もあって、浜辺で遊べて、まあ自分はうまい飯が食えりゃそれで。
鴗白翔:暑いわ前は見えないわちょっと見上げると眩しいわで三重苦だ。姉から日傘という文明の利器を借りていなかったら即死だった。
鴗白翔:独特のにおいがする。それは潮風。(下々の)人々の喧騒。
御厨 天音:麦わら帽子を被り、白いワンピースに身を包んだ天音は、容赦のない日差しにも負けず、波打ち際でかにと戯れている。
御厨 天音:「見てみて白翔! かによ! 海のかにだわ!」
御厨 天音:嬉しそうに持ってきた。
御厨 天音:ムードの欠片もない。
御厨 天音:まあでも、嬉しそうなのである——というか、嬉しくないわけがないのである。
御厨 天音:天音は知っていた。白翔が大変苦労して調べて、無理をして一緒についてきてくれたことを。
鴗白翔:「な、なんで持ってきたんだよ!!」
鴗白翔:「こっち持って……いやちげー、あんまり海の生き物を!陸にあげるな!」
鴗白翔:しっしっ。元いたところに返してこい。
御厨 天音:「……それは確かに……」かにだけに。いや違うけど。おとなしく波打ち際にかにを返したが、
御厨 天音:「白翔! これならいいでしょ?」
御厨 天音:次に掌に乗せて持ってきたのは、薄い桃色をした桜貝だ。もちろん、中身は入っていない。
鴗白翔:「犬かよ……」クッソ率直な感想が漏れている。
鴗白翔:「……そりゃあ、いいだろうけど」
鴗白翔:「やどかりっていう貝に入るエビもいるくらいだし」
鴗白翔:小波。
鴗白翔:「……天音。」
御厨 天音:「なあに?」
鴗白翔:桜貝を持ってきた手を掴む。日傘の中に引き入れる。
鴗白翔:「俺さ、考えてたんだけど」
鴗白翔:「お前の子供が欲しい」
御厨 天音:告げられた言葉に、ぱちくりと目を瞬かせ。
御厨 天音:「うん」
御厨 天音:はにかむように笑って。
御厨 天音:「私も、欲しいなあ。白翔との子ども」
御厨 天音:「……そうしたら、頑張れそうな気がする」
御厨 天音:鴗白翔は知っている。
御厨 天音:成人の儀以来、天音が時折体調を崩すことを。
御厨 天音:けれど、彼女は確かに笑ってみせた。
鴗白翔:「……おう」
鴗白翔:単純な理論である。親が早々に死んでしまうのなら、その子供を守ればいい。それが人として正しい思考かはともかく、そうできることは分かっていた。
鴗白翔:けど、天音がいなければ意味がないのだ。だからこそ、半分でも。と、思ったのだけど。
鴗白翔:「……けどさ、子供ってその……どうやって、できんの?」
御厨 天音:「えっ」
御厨 天音:「……え~……?」
鴗白翔:「えっ?」
御厨 天音:「……冗談じゃなくて? ほんとに? 白翔?」
鴗白翔:「……えっ?俺なんか変なこと言った?」
御厨 天音:「……う~ん……」
御厨 天音:「分かった」
御厨 天音:「手取り足取り教えるから」
御厨 天音:「楽しみにしてて!」
鴗白翔:「? ?? お、おう、うん……」
御厨 天音:御厨天音、これでも多羅尾の忍である。
鴗白翔:「あ、そろそろ飯の予約の時間が来る」
鴗白翔:「行くぞ」
鴗白翔:桜貝ごと手を繋いで、歩き出す。肩で日傘を持ちながら、店の地図をスマホで見る。
御厨 天音:「うん!」
御厨 天音:当たり前のように手を差し出す。
鴗白翔:何も知らない。何も知らなかった。それはそれで、取り戻しがつく。
鴗白翔:ただ、御厨天音といういのちだけは取り戻せない。それは、分かっていた。
鴗白翔:だからそう願った。
鴗白翔:よく分からないけど、とりあえずいいって言ってくれたし、それはそれで。
鴗白翔:いつか来る別れより先に、二人で小さな手を繋ぎたいのだ。
鴗白翔:
GM:
GM:ありがとうございました。
GM:では天音ちゃんのエピローグを残して
GM:シノビガミセッション「神様のヒマ潰し」本日はこれにて。