2nd past


「ええええっ! じゃあ私のお父さんって本当に遠くに行っちゃっただけなんですか!?」
「お、お、お前、俺は昔からずっとそう伝えてきたはずだと思ってたがな!?」
「子供に対する言葉のアヤみたいなもんだと思ってたんですよっ! 家族が死んじゃった子供に対してお父さんは遠くに行っちゃったんだよっての、小説とかドラマとかでもよく見ますよ!」
「でも母親に関してはちゃんと死んだってはっきり言ってただろ!」
「そっそうですけどっ、どっちも死んだって言うのはショックが大きいかなって配慮かなみたいなっ」
「ンな中途半端な配慮があるか!」
「だってだってーっ」

「……す、すみませ、ん、ええと架禄さん、つまり、私のお父さんはその、今も生きてる、ってことでいいんですよね……?」
「いやまあ生きてるって断言はできねぇけどな……」
「え」
「消息不明ってのが一番近いわな、連絡とか一度も来た試しねぇし」
「……そ、そうなんです? 私のこととかも実は知らなかったり?」
「いやそれは知ってる、お前がニか三になるかって頃に行方不明になったんだし」
「な、なんで……?」
「……色々あんだよ」
「い、色々ってなんですか人の父親を捕まえてあなたは」
「あー……あー…………」
「なんですか! なんなんですかーっ」