4th past
「お前の親の話ィ?」
「礼瀬さん知り合いだったんでしょう? 架禄さんから聞きましたよ」
「そりゃー父親の方は知らん相手じゃなかったけどよ、つっても架禄さんの知り合いっつーかそんな感じの……直接どうのこうのってほど関わりねぇし、つーか架禄さんのが詳しいだろあいつらのことは」
「そうですけどっ、架禄さんがもう話せるようなことは話したから他の奴に訊けって」
「それあいつが面倒くさがってるだけじゃねぇの……」
「……ひ、否定できないですけど、でも知らないわけじゃないんなら礼瀬さんの知ってることも聞きたいですよ、私は」
「マジで知らないわけじゃないレベルだぞ……」
「それでもいいのでっ」
「まあなんつーか手のつけられない奴だったっつーかな、基本あんまりやる気なさそうなんだけどなんか関わるとすげー目の色変えるタイプっつーか……その例えばがお前の母親だったんだけど」
「私のお母さんですか?」
「大好きって感じだったけど、あれはなんつーか狂信っつーかそういうアレだわな」
「きょうしん」
「狂って信じるの方な。……まあ母親の方もそれを受け止めるだけのモノはあった、というか、頑張ってたみてぇには見えたけど」
「えっと……や、やっぱ私のお父さんって結構大変なアレみたいな」
「まあ大変なアレと言われたら大変なアレか……」
「大変なアレですか……」
「……お前よく父親のこと大変なアレとか言うな」
「あんまり実感ない相手ですし……架禄さんがさんざんに言うから他の人ならちょっと違うのかなと思ったんですけど礼瀬さんから見ても大変なアレみたいなので……」
「まあ大変なアレだからな……」