GM
では
GM
皆様お揃いでしょうか。
境 仁悟
おります
境 清花
おります。
《終末の獣》
おります。
鴟尾 鴞字郎
チャ~
GM
チャチャ~
GM
ではでは
GM
シノビガミシナリオ『化粧応神』
GM
始めていきましょう。
GM
よろしくお願いします!
《終末の獣》
よろしくお願いします。
境 仁悟
よろしくお願いします……
境 清花
よろしくお願いいたします
GM
ではでは
鴟尾 鴞字郎
よろしくおねがいしま~す
GM
イェイ
GM
初めにそれぞれのPC紹介をお願いしましょうか。
GM
キャラクターシートを公開してから自己紹介ですね。
GM
PC1からよろしくお願いします。
《終末の獣》
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY4qrHrgMM
《終末の獣》
名は無く、顔は無く、里は無く。
《終末の獣》
ただ終末の獣と呼ばれている。
《終末の獣》
あるのは己の肉体と、忍びとしての技芸、そして心のみ。
《終末の獣》
当て所なく、刺客を切り払うばかりの日々を生きる。
《終末の獣》
狗の面は決して外さす、獣を降ろし、人ならざる術にて敵を砕く。
《終末の獣》
ただ終末の獣と呼ばれている。
GM
ありがとうございます。PC1の導入はこちらですね。
GM
■PC① 推奨:隠忍の血統orハグレモノ、男性
・使命:【心に決めた伴侶と共に生きる】
・導入:
あなたは終末の獣と呼ばれる妖魔らしい。
世界の終わりを迎え入れる獣として、人間に狩られようとしていた。

傷付き、逃げ惑う中、あなたが見つけたのはPC②。
儀式の生贄にされようとしていた彼女を救ったあなたは、
彼女と共に逃亡する生活を送ることにした。
彼女と静かに暮らすことが出来るのであれば、それ以外はなにも要らない。
GM
先に貼るべきでした。失礼。
GM
そこから出てくる、この、《終末の獣》!
GM
楽しみですね。よろしくお願いします!
GM
では次、PC2ですね。導入を貼ります。
GM
■PC② 推奨:比良坂機関、女性
・使命:【愛する人と幸せな生涯を送る】
・導入:
全てを、運命だと受け入れる覚悟だった。
あの満月の夜の儀式。
月明かりの下で命を散らすはずだった貴方は、一頭の獣にさらわれ、逃亡することになった。

獣との生活の中、覚悟は揺らぐ。
この生活の先に幸せがあるのなら、それもいい。
GM
この導入から。紹介よろしくお願いします。
境 清花
http://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYl4eopgMM
境 清花
清花(きよか)と申します。年は拾八になったばかりの若輩でございます。
境 清花
境のお家に嫁いで、先日二年ほどになりました。
境 清花
幼年より、忍びの技とともに、良き女性として生きるべく多くを学んでまいりました。
境 清花
至らぬ身ではございます。それでも、仁悟さんがわたくしの命をお望みになるのならばと思ってまいりましたのですが……
境 清花
今は……少しばかり。揺らいでも、おりますね。
境 清花
良き妻であろうと、思って……おりましたのに。
境 清花
このようなところでございましょうか。
GM
ありがとうございます。
GM
良き妻として努めていらしたご様子の清花さん。
GM
儀式の果てに、果たして彼女はいかに。
GM
では、次。PC3ですね。
GM
旦那さま。
GM
■PC③ 推奨:鞍馬神流、男性
・使命:【PC②を殺す】
・導入:
ずっと続くと思っていた幸せな日々。
終わりを告げたのは一つの使命。
【妻を殺せ】

儀式の生贄となった妻は、全てを受け入れた顔であなたを見る。
手にした神刀は重く、あなたは手を下せなかった。

運命は迷いを見逃さず、妻は獣に連れ去られた。
GM
ご紹介のほど、よろしくお願いします。
境 仁悟
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYqe3BrgMM
境 仁悟
境 仁悟(さかい・じんご)
境 仁悟
…父から継いだ道場を営んでいる。
境 仁悟
二年前に妻を貰い、よく尽くしてくれている。
境 仁悟
俺は無口で武骨者であるから、迷惑をかけることも多かった。
境 仁悟
……
境 仁悟
これ以上のことは何も。
境 仁悟
あとは行いで示そう。
GM
ありがとうございます。
GM
控えめながらかわいらしい妻の隣、質実剛健を形にしたような旦那さま。
GM
さてはていかに運命と向き合うことやら。
GM
では、最後ですね。PC4。
GM
刀鍛冶!
GM
■PC④ 推奨:戦国編流派、長命
・使命:【終末の獣の終わりを見届ける】
・導入:
あなたは、『化粧応神』と呼ばれる刀を鍛え上げた鍛治師である。
『化粧応神』とは、終末の獣を退治せんがため、
神の命によってあなたが鍛え上げた神刀だ。

獣と刀の物語を見届けるため、あなたは生き続けることとなった。
ようやくその旅路が終わりを迎えようとしている。

※PC④は長命の【背景】を獲得する。
それとは別に、通常通り【背景】を取得して構わない。
GM
ご紹介のほどお願いします。
鴟尾 鴞字郎
http://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6oWdpgMM
鴟尾 鴞字郎
鴟尾 鴞字郎(しびの きょうじろう)
鴟尾 鴞字郎
……あん?
鴟尾 鴞字郎
きったねえ色の字だなあ。
鴟尾 鴞字郎
もうちょっと明るくしていいか?
GM
いいよ!
鴟尾 鴞字郎
おし。こんなもんかい。
GM
お似合いの色です。
鴟尾 鴞字郎
武器職人だ。『鴞字郎』とでも呼んでくれ。
鴟尾 鴞字郎
おいらが作った武器にゃ、だいたいそんな感じの名前が彫ってあらあな。
鴟尾 鴞字郎
刀だけじゃねえぞ。矢から銃から、果てはミサイルに至るまでなんでもござれだ。
鴟尾 鴞字郎
一応、こっちの業界人だ。元を辿りゃあ根来衆の所属になる。
鴟尾 鴞字郎
……が、年齢を聞くのは野暮ってぇもんだ
鴟尾 鴞字郎
知りすぎない程度がちょうどいい。そうだろ?
鴟尾 鴞字郎
ほどほどに仲良く頼むよ。よろしくな!
GM
ありがとうございます。
GM
かわいらしい外見でいて大変達観していらっしゃる。
GM
傾奇者の刀鍛冶はいかな結末を見届けるのでしょうね?
GM
 
GM
さて、では、シノビガミセッション『化粧応神』。
GM
この四名で進めてまいりたいと思います。
GM
改めて、よろしくお願いいたします。
境 仁悟
よろしくお願いします。
鴟尾 鴞字郎
よ!
《終末の獣》
よろしくお願いいたします。
境 清花
お願いいたします。
GM
 
GM
◆導入フェイズ
GM
導入フェイズとしては、
GM
儀式の夜、《終末の獣》が現れるまでの清花と仁悟の会話のシーン。
その後、逃げる《終末の獣》と追う忍、それを眺めるか共に追うかする鴞字郎のシーン。
そして、儀式の斎場に《終末の獣》が現れて、仁悟から清花をかっさらうシーン。
GM
みたいな3シーン構成で考えてます。
なんかこういうシーンやりたいとかあれば入れますがどうでしょう。
《終末の獣》
それで良い。
境 仁悟
問題はない。
境 清花
わたくしからも特にございません。
鴟尾 鴞字郎
うい!
GM
よし。
GM
ではそのように。
GM
 
GM
雲のない夜。満月が空に輝く。
GM
突然告げられた使命のまま、二人は儀式の斎場にいる。
GM
他には誰もおらず、焚かれた篝火が、その時が訪れるのを待っていた。
GM
森の中、滝が水面を打つ音だけが鳴り続ける。
GM
――清花、仁悟。登場願います。
境 仁悟
刀を手に、妻の前に立つ。
境 清花
淡い夜風に、さらさらと黒髪が揺れている。
境 清花
正座し、きりりと伸びた背筋。
境 仁悟
儀式への覚悟を決めてそこにいる女を無言のまま凝視する。
GM
これから手折られることの決まっている、清らかな花の姿。
境 仁悟
そこには寸分の迷いもなく、波も感じられない。
境 仁悟
その静かな凛とした有様は、
境 仁悟
むしろそのか細さを、可憐さを際立たせるように思え、
境 仁悟
それを一太刀のもとに切り捨てねばならぬ己に課せられた使命を顧みさせる。
境 仁悟
「清花」
境 清花
「はい、仁悟さん」
境 仁悟
まっすぐに返される声は静かなのに。
境 仁悟
この俺の動揺ぶりときたらどうだろう。
境 仁悟
それを、今から死にゆく彼女に悟られて、
境 仁悟
情けない夫に嫁いだと嘆かれやしないかとか、
境 仁悟
そんなことを気にする己をなお羞じる気持ちが湧いてくる。
境 仁悟
「詫びて──」
境 仁悟
「済む話では、ないな」
境 清花
「構いません」
境 清花
「この二年、楽しゅうございました」
境 仁悟
「……ああ」
境 仁悟
「俺も」
境 仁悟
「お前と居るのは、楽しかった」
境 清花
「残される者がつらいのが、世の習いでございます」
境 仁悟
「何を──」
境 仁悟
「俺の辛さなど」
境 仁悟
「大したことではない」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
息を吐く。
境 仁悟
「俺は、佳い夫ではなかった」
境 仁悟
「お前に見合う男でありたい」
境 仁悟
「そう思って」
境 仁悟
「……そうして、こうなるとは」
境 仁悟
「恨んでくれとさえ言えぬ」
境 清花
「……わたくしは、良い妻でしたでしょうか」
境 仁悟
「ああ」
境 仁悟
「どこを探しても、お前のような女はいない」
境 仁悟
「お前以上の妻など、望むべくもない」
境 清花
「……そう言っていただけるのなら、それ以上のことはございません」
境 仁悟
「清花」
境 清花
「はい」
境 仁悟
声はわずかにかすれ、
境 仁悟
「……すまない」
境 仁悟
詫びる言葉が繰り返される。
境 清花
「……優しい方」
境 仁悟
「いいや」
境 仁悟
「俺は身勝手な男だ」
境 仁悟
「お前も苦労しただろう」
境 仁悟
「…はじめて会った時、こんな男と添うのかと思ったはずだ」
境 仁悟
男が身動き一つせず、思い出話を舌に乗せたのは、
境 仁悟
何もかもを先延ばしにしたい気持ちが故だった。
境 清花
「仁悟さん」
境 清花
「悔いてはおりません」
境 清花
「最後までお支えはできませんが」
境 清花
「……どうぞ、思い出の中にだけ置いてくださいまし」
境 清花
仄かに微笑って、再び目を閉じた。
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「ああ」
境 仁悟
「分かった」
境 仁悟
伏せられたかんばせをわずかな間だけ、それでも名残惜しく見つめて、
境 仁悟
男は、刀を
境 仁悟
振り上げた。
境 仁悟
──白刃が、女へ向けて振り下ろされる。
GM
振り下ろされた神刀は女の胸を深く裂き、
GM
そうして赤い花が咲く。
GM
滝音の響く中、冷たい土の上へ
GM
清花の身体が倒れていく。
GM
清花の瞳に映るものは、夜空に煌々と輝く満月。
GM
その美しい輝きを見上げながら、
GM
溢れ出で失われるいのちを、あなたはしっかりと感じる。
境 仁悟
立ち尽くしている。
境 清花
熱と冷たさとを同時に感じながら、月鏡を見る。
境 清花
美しいもの。手の届かないもの。
境 清花
旨に浮かぶ過去の思い出もまた、美しく――そしてもはや、届かない。
境 清花
遠ざかっていくもの。
境 清花
過ぎ去っていくもの。
境 清花
今、わたくしも、そうなる。
GM
視界が薄れていく。
GM
眩しい月の輝きが遠ざかっていく。
GM
しかし、
GM
それを遮るように、
GM
ひとつ、昏い影。
GM
 
GM
シーンを切り替えます。
GM
《終末の獣》、鴞字郎さん、お願いします。
鴟尾 鴞字郎
あいよっ
GM
鴞字郎さんは……この場合獣を追いかけますか?
鴟尾 鴞字郎
眺めていましょう
GM
高みの見物
GM
ではそういう形で、よろしくお願いします。
鴟尾 鴞字郎
合点でい
GM
 
GM
森の中。
GM
いつものように迫り来る追手。
GM
暗い闇の中でも、不自然に色が違う。まるで合成のような景色の中にあなたはいる。
GM
追手は皆、それを知っているのであった。
GM
「いたぞ!」
GM
「追え!」
GM
「殺せ!」
GM
「殺せ!!」
GM
「終末の獣を逃がすな!」
《終末の獣》
――《終末の獣》。それが俺の呼び名。
《終末の獣》
投げ交わされる刃を避け、打ち払い、木陰から木陰へ一呼吸を求め。
GM
闇色の忍が刃を打ち払われて姿勢を崩す。
《終末の獣》
振り抜いた刃の血を払い、次へ。
GM
しかし追撃は緩まない。
GM
追手のひとりひとりはあなたを見据えている。
GM
憎悪。
GM
瞋恚。
GM
そして何よりも強いのが、
GM
恐怖の感情。
GM
あなたを見つめる忍たちの瞳の奥には、それらの強い感情が滲む。
《終末の獣》
振るわれる刃に乗せられた感情が、打ち合わせた白刃を伝わり染み入る。
《終末の獣》
俺が憎いか。
《終末の獣》
俺が許せぬか。
《終末の獣》
俺が怖いか。
《終末の獣》
手にした刀は酷く毀れて、追手のそれに持ち代える。じっとりと、冷たい汗に濡れた柄頭。
《終末の獣》
感情の所以はわからぬ。
《終末の獣》
狙われる理由もまた。
《終末の獣》
ただ俺は、終末の獣と呼ばれている。
《終末の獣》
死角からの矢が腹を穿つ。
GM
「当たった!」
GM
「いけるぞ!」
GM
追手の一人が勢いごんだ様子で地を蹴り、
GM
上段から獣へと刃を振り下ろす。
GM
月夜に閃く白刃。
《終末の獣》
奪った刀に残る怨讐か、閃いた白刃を前に容易く折れ、
《終末の獣》
受けきれぬ斬撃が袈裟に裂く。
GM
「殺せ!」
鴟尾 鴞字郎
「ははっ。いいねえ、いいねえ」
鴟尾 鴞字郎
その狩りを高くから見下ろす、鴟鴞のごとき影。
鴟尾 鴞字郎
追手の加勢はせず。だが終末の獣を助くこともせず。
鴟尾 鴞字郎
血しぶき舞おうとも、眉の一つも動かない。
鴟尾 鴞字郎
「そら、そこだ。囲め囲め。気を緩めるな。その程度の追い立てで、あれが殺せるものか」
《終末の獣》
「……死なぬ」
GM
「殺せ!」
GM
「死ね!!」
《終末の獣》
「――ここに在らず」
《終末の獣》
「俺の死に場所は、ここに在らず」
鴟尾 鴞字郎
「そうとも、あれは終末の。ここでは死なんよ」
鴟尾 鴞字郎
その言葉も、誰にかけられた言葉ではなく、ただ一人呟くのみ。ただの傍観者。
GM
追手は獣の言葉を聞かず。
GM
刀鍛冶の声も彼らには届かず。
GM
ただ無心に、恐怖を振り払うよう、
GM
凶器を振り翳して獣を追う。
鴟尾 鴞字郎
「……ちいっと、ここは近すぎるな」
鴟尾 鴞字郎
その目に、恐怖の色は見えないが。
鴟尾 鴞字郎
「こいつはいけねえ。一歩引くか」
《終末の獣》
「狗楽――」
鴟尾 鴞字郎
終末の獣の目に映らぬよう、遠く遠くから見守っている。
《終末の獣》
獣さながらに血を蹴り、鉤爪のように曲げた爪で追手の首を獲る。
GM
「――な」
GM
あっけなく千切れた首が宙を舞い、
《終末の獣》
一つ命を奪うにつれ、二つの傷を負い。
GM
しかしそれに怯むよりもなお、終末への恐怖が勝る。
《終末の獣》
腹を穿たれ、腕を削がれ、足は骨まで刃が入り、肺腑は呼吸に血を混ぜる。
GM
忍は獣を追い、追うた忍は殺されゆく。
GM
けれどその終末に、確かな手傷を重ねながら。
《終末の獣》
木陰から木陰へ、一つ呼吸をつく間を求め。
《終末の獣》
どこか、ここではない、遠くへと……。
GM
そのどこかへ、追手は至ることができない。
GM
ひとり、ひとりと打ち倒され、静かな森を血色に染めて。
GM
近くに滝でもあるのだろうか、やがて獣の耳に水の落ちる音が届く。
GM
殺意とは無縁の静謐な空気、
GM
開けた空に明い満月。
GM
そこで相対する、男と女。
GM
――そして男の振り下ろした刃が、
GM
女のいのちを斬り裂いた。
鴟尾 鴞字郎
「……あん?」
鴟尾 鴞字郎
「(ありゃあ……)」
GM
輝く神刀『化粧応神』。
境 仁悟
神刀を提げて、男がなかば呆然としたような顔で、
境 仁悟
斃れる女を見つめている。
GM
血に塗れて眩く光る、
《終末の獣》
――月下、美しい花を見た。
GM
終末の獣を殺すための刀。
鴟尾 鴞字郎
「(間違いねえ、おいらの……)」
鴟尾 鴞字郎
「(だが……)」
境 仁悟
近づいてくる気配に、気づかぬほどに。
《終末の獣》
曼珠沙華の赤が溢れている。
鴟尾 鴞字郎
「(……こいつあ一体、どういうこった?)」
《終末の獣》
白い肌を濡らし、衣を染め、精気は無く項垂れている。
《終末の獣》
軋む身体、俺は未だに死なぬかと省みることもなく。
《終末の獣》
ただ惹かれるままに駆け出していた。
GM
手折られた花。
境 仁悟
血の匂い、妻のものではない。
GM
今まさに死にゆく女のもとへ、獣は辿り着く。
境 仁悟
視界に入り込んできたその獣に、
《終末の獣》
放つは鞍馬、廻鴉の天狗。
境 仁悟
男は目を見開いて、妻の血に濡れた刀を構える。
《終末の獣》
一つとして我が物は無し。
《終末の獣》
疾風の体当たりが、刀を構えたる男を襲う。
境 仁悟
「──ッぐ……!?」
境 清花
薄く霞む目の前で。己が夫に、誰かが迫るのを見た。
《終末の獣》
その清き花を、頂く。
境 仁悟
その勢いを殺すように、咄嗟に大きく後ろへと下がる。
鴟尾 鴞字郎
「……こりゃあ」
境 仁悟
それは致命的な、
鴟尾 鴞字郎
「もしかすっと……いけるか?」
《終末の獣》
《終末の獣》は立っている。境仁悟のいた場所に。
境 仁悟
「待て──!」
境 清花
己と夫の二人の他には、誰もいないはずだった斎場で。触れる手がある。それを知る。
《終末の獣》
取り残された女をかき抱く。
境 清花
「……ぁ、」
境 清花
微かな声。
《終末の獣》
髪が手にするりと掛かる。どちらともつかぬ血に張り付いている。
境 仁悟
声は虚しく、斎場へ響き渡る。
GM
失われる女の命、絶えゆく息吹のその気配が。
GM
獣の抱いた瞬間に、
GM
わずか、つなぎとめられたような気配がある。
GM
女はまだ、生きている。
GM
《終末の獣》の腕の中で。
《終末の獣》
生きている、ならば。
境 仁悟
刀を構え直し、獣へと躍りかかる。
《終末の獣》
抱き上げ、去る。
境 仁悟
だが、目にはまだ迷いがある。
《終末の獣》
既に雌雄は決したとでも言わんばかりに、一瞥もくれず。
境 仁悟
刀は、空を切る。血の匂いの漂う空気だけを、
境 仁悟
切り裂いて、何も捉えはしない。
《終末の獣》
この女が、特別な熱を帯びているようにも思えぬ。
《終末の獣》
むしろ血を流し、死に臨みて冷えた身のはず。
《終末の獣》
しかし、どうしてこれほどまでに熱く、身体が漲るものか。
境 清花
風を感じる。そして、躍動するぬくみを。
境 清花
冷たい土に触れていたはずの頬に、人の温度がある。
《終末の獣》
「お前を、死なせはせぬ」
《終末の獣》
しかし、男の顔は狗の面。
境 清花
薄っすらとだけ開いた眼に、その面を見。
境 清花
それを何と思ったものか。
境 清花
あるいはただ、朦朧とした意識が、何を考えることもなく。
境 清花
ほんの微か、その胸に額を寄せる。
《終末の獣》
月下、山中、夜の静寂へ。
《終末の獣》
安らげる場所を求め、駆ける。
GM
闇の中に溶けゆく、手負いの獣と死にかけの女。
GM
神刀を手にした男がそれを見送り、
GM
それをさらに果てより、一人の長命の刀鍛冶が見下ろしていた。
鴟尾 鴞字郎
「……」
鴟尾 鴞字郎
「く、くく」
鴟尾 鴞字郎
「きっきっき!」
鴟尾 鴞字郎
「なんとも……ききっ、だらしねえ坊やだ!」
鴟尾 鴞字郎
「どうにも覇気のねえ面構えだが……」
鴟尾 鴞字郎
「仕方ねえ。今度はあの子に賭けてみるとするか」
鴟尾 鴞字郎
始終を見守った高台の小さな影もまた、姿を消す。
GM
残さるるは月ばかり。
GM
白刃を輝かす光を放つ月ばかりが、
GM
煌々と彼らの行き先を見届けていた。
GM
 
GM
導入フェイズを終了します。
GM
さて、えー。
GM
このまま……メインフェイズに入りますね。
GM
メインフェイズ第一サイクルに突入します。
GM
シノビガミは優しいシステムなので、手番を話し合いで決められます。
GM
最初に動きたい方はいらっしゃいますか?
GM
いなかったら1d99振っていただいて一番低い目からですが。
GM
獣さんと鴞字郎さんが一番手ご希望ということで、1d99をどうぞ。
GM
高い方が先です。
鴟尾 鴞字郎
1d99
ShinobiGami : (1D99) > 10
《終末の獣》
1d99
ShinobiGami : (1D99) > 86
GM
獣さんからですね。
GM
 
GM
◆メインフェイズ第一サイクル第一シーン シーンプレイヤー:《終末の獣》
GM
シーン表が……ええと……好きなので……
水面
清花と感情を結ぶつもりですが。
GM
宣言。
水面
攫った後しばらく経過してるんですよね。
GM
朝くらいでどうでしょう。
水面
HOが逃亡する生活を送ることにした、なんだけれど
水面
これは攫ってからどれくらいの経過があるのだろう。
GM
どうだろうな~ 明確に決心してなくてもまだ大丈夫です
GM
大丈夫なので、翌朝から始めてもいいですよ。
GM
そうしたいだろうし。ちゃんとお話してませんからね。
水面
わかりました。
水面
基本的に山中とか推奨ですか?
GM
シーン表はSTかな 普通は
水面
都市とかではないですよね。
GM
あんま人里行く印象はないですよね
GM
ないし、山中とか……けっこうサバイバル気味の方が雰囲気出ると思います。
水面
承知。
GM
よろしくお願いします。
水面
じゃあ勝手にシーン作ります。
GM
そうですね。ペナルティつき必須でもないし振らなくてもいいです。
《終末の獣》
人里離れた山中。
《終末の獣》
竹林の中に差し込む燃ゆるような朝日。
《終末の獣》
近くには小川が流れている。
《終末の獣》
「……よし」
《終末の獣》
女の手当をした。
《終末の獣》
恐ろしく鋭利な刃での断面。
《終末の獣》
かえって、治療は容易かった。
境 清花
「……っ、う」
《終末の獣》
「起きたか」
境 清花
「…………」
境 清花
「わたくしは、……生きて……」
《終末の獣》
「ああ、生きている」
境 清花
「……なにゆえで、ございましょう」
《終末の獣》
「なにゆえ、なにゆえか」
《終末の獣》
「死んでいなければ生きておろう」
《終末の獣》
たき火の薪を組み替えている。
境 清花
「……あなたが手当をしてくださったのでしょう?」
《終末の獣》
「そうだ」
境 清花
「わたくしを、あの場から連れて出たのも?」
《終末の獣》
「そうだな」
境 清花
「……あなたは、それを、どうして」
《終末の獣》
「美しい花が散る」
《終末の獣》
「それが惜しいと思ったからだ」
境 清花
「………………」
境 清花
「見も知らぬ女一人を、花だなどと仰る」
《終末の獣》
「おかしいか」
境 清花
「…………」
境 清花
「おかしいというよりも、……そう、変わっていらっしゃる……」
《終末の獣》
「生憎、俺は獣だ。作法など知らぬ」
《終末の獣》
「ただの生花ならば、摘めば枯れる」
《終末の獣》
「だが、お前は人だ」
《終末の獣》
「見初めた女を傍に寄せることに、変わっているもなにもなかろう」
境 清花
「……見初めた、……と、申されましても……」
境 清花
「……わたくしには、夫がおります」
《終末の獣》
「お前を殺そうとした男か」
境 清花
「……そうですね」
《終末の獣》
「好きなだけ想えばいい」
《終末の獣》
「それとも男の下へ行くか」
《終末の獣》
「その道は冥府への道」
《終末の獣》
「それを知りつつ行くか」
境 清花
「……それ、は」
境 清花
「……黄泉路をゆく覚悟は、しておりました」
《終末の獣》
「だろうな」
《終末の獣》
「争った後もなく、毒の香りもなく」
《終末の獣》
「お前は自ら刃に身をさらしたのだろう」
《終末の獣》
「そうすることが、お前にとって、愛を全うすることだと?」
境 清花
「…………」
境 清花
「忍が使命に逆らってなんになります。逆らってくれと願えば、あの方を苦しめるだけです」
境 清花
「わたくしは、……」
《終末の獣》
「ならば、よいだろうよ」
《終末の獣》
「逆らえと願わずとも、お前はこうして攫われた」
《終末の獣》
「あの男の剣の迷いを、知らぬわけではあるまい」
境 清花
「それは……」
境 清花
「……それは、……そう、ですけれど」
《終末の獣》
「……いずれにせよ」
《終末の獣》
「行くならば俺も伴う」
境 清花
「……伴って、どうされます」
《終末の獣》
「一つ、二つの忍びがいる。使命が交じれば、即ち戦よ」
《終末の獣》
「見初めた女を傍に寄せる、それだけのことよ」
《終末の獣》
「傷の具合はどうだ」
境 清花
「え、……ああ……」
境 清花
胸元を押さえる。
境 清花
「……痛くはございます。とても……」
境 清花
「けれど、これで命脈の途絶えるような心地は、いたしません」
《終末の獣》
「よかった」
《終末の獣》
「俺は乱暴者だ。手当が十分だったか、いくらか不安だった」
《終末の獣》
……生に執着が一切なければ、問われても改めはせぬよ。
《終末の獣》
「名はなんという」
境 清花
「……清花、と申します」
《終末の獣》
「清花」
《終末の獣》
「清花か」
《終末の獣》
「良い名だな」
境 清花
「……あなたのお名は」
《終末の獣》
「俺に名前はない」
《終末の獣》
「だが、《終末の獣》と呼ばれている」
境 清花
「獣……?」
《終末の獣》
「さあ……この面がそう呼ばせるのか」
《終末の獣》
「しかしそれは俺の名ではない」
《終末の獣》
「そうだな」
《終末の獣》
「何か適当に名付けてくれ」
境 清花
しばし、黙り。
水面
感情判定で清花と感情を結びます。判定は潜伏術。逃げてるので。
GM
了解です。判定をどうぞ。
《終末の獣》
2D6>=5 (判定:潜伏術)
ShinobiGami : (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
GM
お互いETを。
《終末の獣》
ET
ShinobiGami : 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
《終末の獣》
愛情で。
境 清花
ET
ShinobiGami : 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
境 清花
……狂信取ります……
GM
了解しました。《終末の獣》は愛情、清花は狂信を。
GM
RPをどうぞ。
境 清花
黙ったまま、獣を見。そして、もはや明けた空を見る。
境 清花
朝の光に消えた月。
境 清花
「……霽月さまとお呼びします」
霽月
「霽月、か」
霽月
「ありがたい」
霽月
「清花」
境 清花
「……はい」
霽月
「お前から頂いた名だ」
霽月
「大切にする」
境 清花
「……はい」
霽月
顔は無く、里は無く、名は霽月。
霽月
俺は霽月だ。
霽月
「お前を愛している」
境 清花
「…………」
境 清花
「……ありがとう、ございます」
GM
 
GM
ありがとうございました。
GM
えー、次は第二シーンで……鴞字郎さんの手番になりますが。
鴟尾 鴞字郎
おう!
GM
時間的に今日はここでおしまいかな。なんか開幕で予告したいとかあります?
GM
謎のお伺い
鴟尾 鴞字郎
坊やに……マイナスの感情を貰いに行くか!
GM
だひゃひゃひゃ
GM
では明日そういうシーンから再開にしましょう。
鴟尾 鴞字郎
こちらから坊やに会いに行くよ。坊やはどこで何して過ごしてんだろね?
GM
気になるな~。どうしてるのかな~。
GM
どうしてます?
境 仁悟
獣と妻を探しに行きますね。
GM
探しに行くんですね。
鴟尾 鴞字郎
いいね!最高だ!
GM
坊やががんばってることだなあ。
GM
山中で遭遇する感じになるかな。
境 仁悟
そうですね。
鴟尾 鴞字郎
そうしよう
GM
では明日はそのシーンから。
GM
シノビガミセッション『化粧応神』第一夜は本日はこれにて終了。
鴟尾 鴞字郎
あい~
GM
明日もやります。よろしくお願いします。
GM
お疲れさまでした!
鴟尾 鴞字郎
いよっ!
境 仁悟
お疲れ様でした…………
霽月
お疲れ様でした。
境 清花
お疲れさまでした
鴟尾 鴞字郎
お疲れ様でしたい!