GM
では
GM
シノビガミ「化粧応神」第四夜
GM
始めていきましょう。よろしくお願いします!
境 仁悟
よろしくお願いします……
鴟尾 鴞字郎
よろしくおねがいしまーす
霽月
よろしくお願いします。
境 清花
お願いいたします
GM
前回はメインフェイズ第二サイクル第四シーン、清花のシーンの途中で終了。
GM
仁悟の秘密が開示された直後ですね。
GM
そこから再開しましょう。
GM
GM
◆メインフェイズ第二サイクル第四シーン シーンプレイヤー:境 清花
GM
明らかにされた真実。
GM
清花が本来死亡しているという事実。
GM
そしてこのままではやがてその息吹が絶えるという、現実。
霽月
「は」
霽月
「はははは」
霽月
笑う。
霽月
「そうか」
霽月
「……そうか」
霽月
「案ずるな、清花」
境 清花
「霽月さま……?」
霽月
「お前を死なせはせん」
鴟尾 鴞字郎
「するってぇと、どうする?」
霽月
「わかっておろうよ、鴞字郎」
霽月
「全てお前の思惑どおりになろう」
霽月
「お前の鍛え上げた二刃」
霽月
「二人の忍びが斬り合う」
霽月
「声に応え、再び俺が終末の獣となろう」
鴟尾 鴞字郎
「……ああ」
鴟尾 鴞字郎
「良い子だ。いい返事だ」
境 清花
「霽月さま、……それは、」
境 清花
「それは……」
霽月
「だが鴞字郎」
鴟尾 鴞字郎
「なんだい」
霽月
「これはひとえに、愛が故」
霽月
「お前が横槍と言った、清花」
霽月
「清花がおらねば俺はそれを選ぶことはなかった」
鴟尾 鴞字郎
「……」
鴟尾 鴞字郎
「興味ないね、愛なんて」
鴟尾 鴞字郎
「結果が同じならいいのさ。どっちかが死んで、刀が折れる。おいらが求めてんのは、それだけだ」
霽月
「構わん」
霽月
「お前は根っからの刀鍛冶」
霽月
「お前が拵えた俺は忍。心を持つ刃に他ならん」
霽月
「化粧応神と化生鏖刃」
霽月
「その二刀も子と呼ぶのか」
鴟尾 鴞字郎
「……さてね」
鴟尾 鴞字郎
「たとえどうだろうと、おいらは揺れんよ。そいつらも子だってんなら、子なんてもんは皆殺しにしてやろう」
霽月
「ははは」
鴟尾 鴞字郎
「ききき!」
鴟尾 鴞字郎
「それで、当事者となった娘っ子」
鴟尾 鴞字郎
「おめえさんは、どうすんだい」
境 清花
「…………っ、」
鴟尾 鴞字郎
「一緒に人死にを眺めようか?茶でも呑みながらよ」
境 清花
「……そんな」
境 清花
「わたくしは」
境 清花
「……わたくしは……」
鴟尾 鴞字郎
「きっき!どっちが勝つか見ものだな!愛する相手が二人いりゃあ、片方死んでももう片方は残らあな」
境 清花
「……、なんてことを……!」
霽月
「よせ」
霽月
「お前にはわかるまい、鴞字郎」
鴟尾 鴞字郎
「……」
霽月
「化生鏖刃の切れ味」
霽月
「先に試してもよいぞ」
鴟尾 鴞字郎
「そいつあ、おっかねえなあ!」
鴟尾 鴞字郎
「それじゃあ、おいらはそろそろお暇するか。おい、娘っ子」
境 清花
「…………」
鴟尾 鴞字郎
「流れはもう止まらんよ。そいつの覚悟を見たろう」
鴟尾 鴞字郎
「傍観するか」
鴟尾 鴞字郎
「無駄に身を挺して戦いを止めてみるか」
鴟尾 鴞字郎
「それとも、どちらかに加勢してみるか……」
鴟尾 鴞字郎
「果たして。敵対しない事を祈ろうか」
鴟尾 鴞字郎
「記憶は奪われていく。戦いが始まる頃には、二人を愛する気持ちなんて、残ってねえかもな」
鴟尾 鴞字郎
「その時にお前さんが、どっちの男を選んで、どっちの男を捨てるか……今から楽しみだ」
鴟尾 鴞字郎
「それじゃあ、あばよ!」
霽月
その後ろ姿を見送る。
鴟尾 鴞字郎
闇の中と消えてゆく。
境 清花
同様に、見送る。かすかに震えるこぶし。
霽月
鴞字郎。終ぞ母とは呼ばなかった。その記憶もない。
霽月
鴞字郎からどのような名で呼ばれていたのかもわからない。
霽月
――そこもまた、俺の居所にあらず。
GM
GM
メインフェイズ第二サイクルがこれにて終了。
GM
このまま第三サイクルへと入りましょう。
GM
初手を希望の方はいらっしゃいますか?
境 仁悟
はい
GM
はやい
境 仁悟
五日苦しんでたので……
GM
そうだね……
GM
そうだねになり続けていることよ。
GM
仁悟さんから行きますか? 他の方よろしい?
GM
最終手番なので
GM
慎重になってね、という気持ちです。
GM
では仁悟さんからですね。
GM
◆メインフェイズ第三サイクル第一シーン シーンプレイヤー:境 仁悟
境 仁悟
ロール前に霽月の秘密を抜きます。
GM
了解です。
境 仁悟
伝達術から
境 仁悟
2D6>=5 (判定:伝達術)
ShinobiGami : (2D6>=5) > 6[3,3] > 6 > 成功
GM
では清花へと共有ですね。
GM
ん?
GM
いや
GM
公開か。
境 仁悟
おう。
GM
一発公開ですね。感情があるので。
GM
霽月の秘密を公開しましょう。
GM
【秘密:霽月】
あなたは自分の【居所】を持っていない。
この世界にあなたの居場所はないのだ。
「居場所がほしいか」
己の裡から聞こえる獣の声に応えれば、あなたの望みは叶うのだろうか――
この秘密を知る者は、戦果を選ぶ際に誰かの【居所】をプライズとして奪うことができる。
自分の【居所】を持っていない(奪われた)キャラクターは、クライマックスフェイズ開始時に死亡する。
獣の声に応えた場合、この死亡の効果はなくなる。

この秘密を知る者は、『終末の獣』について調査出来る。
GM
また、この【居所】を持たない効果によりクライマックスフェイズ開始前に霽月が死亡した場合、
『終末の獣』は清花の腹の胎児へと乗り移り、即座に生まれ落ちます。
そしてその『終末の獣』をPC1としてセッションを続行することとなります。
GM
以上です。
境 仁悟
霽月という男。
境 仁悟
刃をぶつけ合い、その言葉を聞いた時、
境 仁悟
そこに偽りはなく、後ろめたいことなど何もないように見えた。
境 仁悟
だが、それでも、どうしても、確かめねばならなかった。
境 仁悟
──頭上から葉擦れの音。
境 仁悟
鴞字郎を見送った二人に、気配が感じられる。
境 仁悟
殺気はなく、剣気もない。
霽月
「境仁悟」
境 清花
「仁悟さん……」
境 仁悟
叢の上に男が降り立った。
境 仁悟
折り曲げた膝を伸ばし、順にふたりを見る。
境 仁悟
清花と目を合わせて、
境 仁悟
わずか目を伏せて、霽月へ向き直った。
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「化粧応神はこの通り俺が持っている」
霽月
「ああ」
境 仁悟
「お前の中に眠る獣を斬るため、俺は妻を」
境 仁悟
「この手で殺した」
霽月
「ああ」
霽月
「お前は真実、清花を愛している」
霽月
「それが故に殺した」
境 仁悟
「そのように胸は張れない」
境 仁悟
「愛しているが、殺した」
境 仁悟
「手にかけた事実は消せはしない」
境 仁悟
視線を、清花へ向ける。
境 清花
その視線を受け止める、かすかな迷いを宿した瞳。
境 仁悟
「清花を助けたい」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「この俺は、もはや望めるような身ではないが」
境 仁悟
「それでも」
境 仁悟
「いや」
境 仁悟
「そうだな」
境 仁悟
「……清花」
境 清花
「……はい、仁悟さん」
境 仁悟
「俺は、お前を愛している」
境 仁悟
「…………愛しているのにもかかわらず、」
境 仁悟
「手にかけた」
境 仁悟
「だが、もはやお前が死ぬところを見たくはない」
境 仁悟
「──霽月、あの鴞字郎はいまだ何か抱えている」
霽月
「ああ。俺もそれが気がかりだ」
境 仁悟
「清花を確実に助けるために、あれの隠す秘密が欲しい」
境 仁悟
「俺は代わりに差し出せるものは何もない」
境 仁悟
「だから、こうしてただ頼みに来た」
霽月
「境仁悟。……清花」
霽月
「俺もさして胸を張れるようなものでもない」
霽月
「ただ己の内側にある虚ろ」
霽月
「その亡霊のようなもの」
霽月
「俺がここに在る理由はひとえに、清花の傍らにいたいと思うばかりのもの」
霽月
「そこに居所を見いだしただけの亡霊よ」
霽月
「故に」
霽月
「清花が生きていなければ何も始まりはせん」
境 仁悟
顎を引く。
霽月
「恐らく、俺と、いや」
霽月
「終末の獣とお前は、斬り合う定めにある」
境 仁悟
「ああ」
境 仁悟
「その定めからは、逃れられまい」
境 仁悟
「……霽月、俺は、お前に感謝をしなければいけない」
境 仁悟
「お前が清花をあの時連れてゆかなければ」
境 仁悟
「俺はもはや惑い、迷うことさえできなかった」
境 仁悟
「…………そのお前に、この上、居場所を手放せと仕向けることに」
境 仁悟
「何と応えればよいか分からない」
霽月
「手放しはせぬ」
霽月
「俺はまだ絶望などせん」
霽月
「あるいは斬り合いの果てに辿り着く瀬があると」
霽月
「それに賭けるのみ」
境 仁悟
「化粧応神と化生鏖刃」
霽月
「忍と忍」
境 仁悟
「お前がどこかに辿り着かんとするならば」
境 仁悟
「ああ、俺も応えよう。己の全力を以て」
霽月
「俺も感謝している」
霽月
「ただ一心一刀で斬り合い、果し合う男がお前であることを」
境 仁悟
「霽月」
境 仁悟
言葉に、姿勢を正した。
霽月
同じように向き合う。
境 仁悟
「……お前が落胆せぬような戦いを約束する」
境 仁悟
「この神刀を継ぐ者として、終末の獣を俺が切り伏せる」
霽月
「ああ」
霽月
「楽しみにしている」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
息をついた。
境 仁悟
「清花」
境 清花
「はい」
境 仁悟
「……少し、二人で話がしたい」
境 清花
「…………はい」
霽月
頷く。
境 清花
一度その首肯を見上げ、それから仁悟に視線を戻す。
境 仁悟
清花を伴って、少し離れた場所へ向かおうと。
境 清花
それに従う。常のように、少しだけ後ろを歩く。
境 仁悟
やがて立ち止まり、あなたを振り返った。
境 仁悟
黙りこくって、あなたを見つめる。
境 清花
「仁悟さん」
境 清花
「……ありがとうございます」
境 清花
ふと。そう告げる。
境 仁悟
「何を……」
境 仁悟
「俺は、お前に礼を言われるようなことなど」
境 清花
「いいえ」
境 清花
「たすけたいと言ってくださったことも、……愛していると言ってくださったことも」
境 清花
「……そうして心傾けてくださることが、わたくしは嬉しいのです」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「それをお前に、伝えられなかった」
境 仁悟
「最後のあの時にさえ、お前にそれを言う資格はないと」
境 清花
「言葉にはなさらずとも、」
境 清花
「……愛していただいていたことは、存じておりました」
境 仁悟
「……」
境 清花
「わたくしも、仁悟さんを愛しております。……今も、まだ」
境 仁悟
それが零れ、喪われゆくものであるということを、今の男は知っている。
境 仁悟
「……ああ」
境 清花
「お伝えできるのがいつまでか。この胸の内に留めておけるのが、いつまでか……」
境 清花
「わかりません。でも、確かに」
境 仁悟
「……俺は、お前を殺した」
境 仁悟
男は、言葉を繰り返す。
境 仁悟
「それは、どうしても消せない」
境 仁悟
「その事実があってなお、」
境 仁悟
「……愛してくれた事実があれば、それでよいなどとは」
境 仁悟
「思えぬものなのだな」
境 仁悟
呟くように言って、拳を握る。
境 清花
「……残されるものがつらいのが、世の習い」
境 清花
「それが命ならずとも」
境 清花
「……わたくしは、酷い女です」
境 仁悟
「いいや」
境 仁悟
「その世の習いが真なら」
境 仁悟
「辛いのはお前だろう」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「帰ってきてほしい、とは言えん、と」
境 仁悟
「あの時は言ったが」
境 仁悟
「……本当のことを言うのならば、お前には俺のもとにいてほしい」
境 清花
「…………」
境 仁悟
「むごいのは俺の方かもしれん」
境 仁悟
「お前の帰れる場所になれるかもわからん」
境 仁悟
「霽月は強者だ。奴に憑く終末の獣もそうであろう」
境 仁悟
「お前の血を啜ったこの刀で、俺は奴と切り結ぶつもりだ」
境 清花
「…………」
境 仁悟
「…………」
境 清花
「霽月さまが獣になる必要が、本当にございますか?」
境 清花
「わたくしは、……尽きた命です。もう、ここにいるはずのない……」
境 仁悟
「不要必要の話ではない」
境 仁悟
「お前の命は望まれている。…そうして、その命は」
境 仁悟
「……お前ひとりのものではない」
境 清花
「……それ、は」
境 清花
「……ええ、……」
境 清花
「……はい。……わかって、おります」
境 仁悟
「……霽月には、感謝をしている」
境 仁悟
「俺は、妻と我が子を同時に手にかけるところだった」
境 仁悟
「……だが今は、妻と子を守れるやもしれんと思っている」
境 仁悟
「……本当にむごいことだ」
境 清花
「仁悟、さん……」
境 仁悟
「妻を殺し、子を殺し」
境 仁悟
「今もなお、己の手ではお前を生かすこともできない」
境 仁悟
「それなのにお前の生を望み、お前に傍にいてほしいと願っている」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「清花」
境 清花
「…………」
境 仁悟
「お前に、触れてもいいか」
境 清花
「…………」
境 清花
「…………」
境 清花
「今は」
境 清花
「きっと……わたくしに、その資格がございません」
境 仁悟
「それでも良い」
境 仁悟
「……お前を愛さぬようにしてきた」
境 仁悟
「お前がめおとであろうと、寄り添おうとしてくれるのを」
境 仁悟
「そうあってはならんと拒んできた」
境 仁悟
「なれば今、お前が資格がないと拒んでも、俺が寄り添おうとしよう」
境 清花
「…………」
境 清花
「ほんとうのことを、申し上げれば……拒みたくないと、思ってしまう、……そんなわたくしを」
境 清花
「酷い女と、思ってくださいまし」
境 仁悟
男は曖昧に微笑んだ。
境 仁悟
一歩、
境 仁悟
あなたへ近づく。
境 清花
拒みたくないと言った、そのとおりに。
境 清花
静かな佇まい。
境 仁悟
腕を伸ばし、
境 仁悟
男はあなたをゆるやかに抱き寄せる。
境 清花
その胸に、かすか、縋るような指先。
境 清花
「……忘れたくない……」
境 仁悟
「ああ」
境 仁悟
「お前に、忘れてはほしくない」
境 仁悟
「お前を」
境 仁悟
「愛している」
境 清花
「……あのとき、尽きておけばようございました。……迷う前に」
境 仁悟
「俺は迷えてよかったと思っている」
境 仁悟
「お前が、こうしていてくれて嬉しい」
境 仁悟
「すまないな」
境 清花
「いいえ……いいえ」
境 仁悟
腕に力が籠もる。
境 仁悟
「……お前を、必ず助ける」
境 仁悟
「俺が、どうなろうとも」
境 仁悟
男はもう詫びることなく。
境 仁悟
ただ、あなたを抱きしめていた。
GM
GM
◆メインフェイズ第三サイクル第二シーン シーンプレイヤー class="fukuro":鴟尾 鴞字郎
鴟尾 鴞字郎
「いけねえなあ、坊や」
鴟尾 鴞字郎
その場に割って入るように、鴞字郎が現れる。
境 仁悟
「……」
境 清花
「……っ」
境 仁悟
妻を背に庇うようにあなたに向き直る。
鴟尾 鴞字郎
「最初に言ったろう。あまり詮索するなと」
鴟尾 鴞字郎
「なのに終末のを焚きつけて。一体どういうこったい?」
境 仁悟
「霽月に言った通りだ」
境 仁悟
「俺は清花を助けたい」
境 仁悟
「助けられぬ可能性は、少しでも廃する」
境 仁悟
「事情が変わった」
鴟尾 鴞字郎
「やめときな。後悔するよ」
境 仁悟
「……それは、お前を探ることがか」
境 仁悟
「それとも、俺が清花を助けんとすることが、か」
鴟尾 鴞字郎
「別に、娘っ子がどうなろうがおいらは知ったこっちゃないがね」
鴟尾 鴞字郎
「お前さんがこっちの懐を探るってンなら」
鴟尾 鴞字郎
「悪いこた言わねえ。お前さんのためだ」
境 仁悟
「だからあの男に頼んだ」
鴟尾 鴞字郎
「同じ事さ。だぁれも幸せになりゃしねえ」
鴟尾 鴞字郎
「ただ何も知らないまま、あれを切って終わり。そうは行かんかい?」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
逡巡するように視線を彷徨わせる。
境 仁悟
「何を、恐れることがある?」
鴟尾 鴞字郎
「その言葉、返すよ」
鴟尾 鴞字郎
「なあ、ここに役者は揃ってる」
鴟尾 鴞字郎
「そうだろう?今おっぱじめる事に何の支障がある?」
鴟尾 鴞字郎
「どのみち、あれは殺すしかあるめえよ。全部が見えたところで、坊やの出す結論は変わりゃしねえ」
境 仁悟
それは。
境 仁悟
確かにそうだ。
境 仁悟
霽月が終末の獣に変ずる、自分はそれを斬る。
境 仁悟
これ以上なにかが分かったところで、それが変わるわけではないように思える。
境 仁悟
それでもこの目の前の職人の秘密を探ろうとするのは、
境 仁悟
返された通り、己の恐れであろう。妻を失うかも知れない恐れ。
境 清花
「……知られれば。あなたの結論は変わるのですか」
境 清花
するり、一声。
鴟尾 鴞字郎
「…………あ?」
鴟尾 鴞字郎
「何だ、てめえ。今はこいつと話してんだよ」
境 清花
「わざわざ……肚のうちを知られたくないと言いにおいでになる」
境 清花
「秘めるものがあるのはみな同じ……忍の常」
境 清花
「誰に知る必要がなかろうと……わたくしには、その必要がございます」
境 清花
「消えゆくばかりのこの想いに、選ぶすべなどないのかもしれず」
境 清花
「それでも、わたくしは、己の意思を定めねばなりません……叶う限り」
鴟尾 鴞字郎
「じれってえからよ、さっさと初めてもらいてえだけさ」
鴟尾 鴞字郎
「こちとら500年待ってんだ。これ以上待ってたら、くたばっちまわあ」
鴟尾 鴞字郎
「お前さんこそ、どうさ。気持ちが残ってる間に、結末を見届けてえとはおもわねえのかい」
境 清花
「わたくしは……」
境 清花
「それを言い訳に、わたくしが選ぶことからは逃げません」
境 清花
「思い出を、……愛しているというこの気持ちを大切に思う」
境 清花
「思っていたら、わたくしは迷ったままでも良いと?」
鴟尾 鴞字郎
「格好いいねえ。終わってから選べば、生き残る方を選べるってのに」
鴟尾 鴞字郎
「選んだ奴に先立たれて、一人残りてえかい?」
境 清花
「わたくしの命を望んでくださる方に」
境 清花
「恥じることのないわたくしであるために」
境 清花
「……わたくしは、選ばねばなりません」
鴟尾 鴞字郎
「………………ちっ」
鴟尾 鴞字郎
「ったく。おい坊や。お前の嫁、めんどくせえぞ」
境 仁悟
「よい妻を持った」
鴟尾 鴞字郎
「どれもこれも坊やが人の事ひっかけ回したのが発端じゃねえか。どう落とし前つけるんだ、ええ?」
境 仁悟
「案ずることはない」
境 仁悟
「俺以上に、この神刀を振るうにふさわしいものはいない」
境 仁悟
「あの言葉まで翻すつもりはない」
境 仁悟
化粧応神の秘密を鴞字郎に渡します。
GM
了解です。
GM
ディスコードにてお渡ししましょう。
GM
お渡ししました。
鴟尾 鴞字郎
「…………っ」
鴟尾 鴞字郎
「き、きき!」
鴟尾 鴞字郎
「ああ、そうかい、そうかいそうかい!」
鴟尾 鴞字郎
「なるほどなあ。こいつあ傑作だ!」
境 仁悟
「終末の獣が姿を現したならば」
境 仁悟
「……この刀で必ず斃そう。俺のすべてを尽くしても」
鴟尾 鴞字郎
「ああ、笑わせてもらったよ。そいつをお手付きの埋め合わせにしてやらあ」
境 仁悟
「役目を終えたならば炉に投げ入れれば良い」
境 仁悟
「それでお前の望みも果たせる」
鴟尾 鴞字郎
「そうさせてもらおうか。……しかし何だ」
鴟尾 鴞字郎
「まったくもって、おきょうの名で作った刀はどいつもこいつも」
鴟尾 鴞字郎
「勝手な動きをする。手のかかるじゃじゃ馬ばっかりだ」
境 仁悟
「優れた職人の作った武器には」
境 仁悟
「魂が籠もるのだろうよ」
境 仁悟
「それが、良いものかどうかはともかくな」
鴟尾 鴞字郎
「なぁに、全て失敗作さ。今夜、無に戻る」
境 仁悟
「……」
境 仁悟
「お前の胎の裡」
境 仁悟
「霽月にすでに頼んでいる」
境 仁悟
「どうしてもいやであれば、あちらに言って聞かせるがいい」
鴟尾 鴞字郎
「……ああ、ありがとよ。ちと行ってくらあ」
鴟尾 鴞字郎
そのまま仁悟に背を向け、霽月の元へ。
境 仁悟
見送って、清花に目を向ける。
境 仁悟
「いま少し──時間を置いた方がよいだろう」
境 清花
「…………」
境 清花
「……はい」
境 仁悟
「よく、話してくれた」
境 清花
「……いいえ」
霽月
一人、月を見上げている。
鴟尾 鴞字郎
「よう、終末の」
霽月
「俺の名は霽月だ」
霽月
「鴟尾鴞字郎」
鴟尾 鴞字郎
「そうかい。そんな名前たぁ知らなかったよ」
霽月
「ああ。清花がつけてくれた名だ」
鴟尾 鴞字郎
「……そりゃ、お熱いこって」
鴟尾 鴞字郎
「お前さんもあっちの坊やと同じハラかい」
鴟尾 鴞字郎
「今ここで始めちまえばいいもんをよ」
霽月
「残された時間は短い」
霽月
「そのわずかな時間を、こうして惜しんでいる」
霽月
「月の白さ、葉のざわめき、地面の湿る様」
鴟尾 鴞字郎
「じゃあ、大事な女と一緒に過ごしてりゃいい」
鴟尾 鴞字郎
「余計な事は何もせずによ。貴重な時間なんだろ?」
霽月
「そうだな」
霽月
「焦れる心はある」
霽月
「片時たりとも清花の温みを手放すことは惜しい」
鴟尾 鴞字郎
「なら……」
霽月
「ふむ、そうだな……今すぐに奪い返しに行くか」
霽月
「とはなるまいよ」
鴟尾 鴞字郎
「なぜ」
霽月
「ひとえに」
霽月
「些末な意地だな」
霽月
「見栄とも言える」
鴟尾 鴞字郎
「ふん」
鴟尾 鴞字郎
「こちらの腹を探るヒマなどなかろうに。無害な傍観者なんだ。放っておいておくれよ」
霽月
「生憎俺は明日とも知れぬ身だ」
霽月
「掛かる戸は開けてみなけりゃ気が済まん」
霽月
「幼子の好奇心とでも笑ってくれ」
霽月
「あるいはそこに一縷の希望があるともわからんしな」
鴟尾 鴞字郎
「そう言われっちまったら、おいらの負けだな」
鴟尾 鴞字郎
「なにせ、おめえに明日は来ねえんだからよ」
霽月
「ははは」
霽月
「俺は強い」
霽月
「お前の打った刃だからな」
鴟尾 鴞字郎
「もう片方も、おいらの打った刃さ」
霽月
「まるで矛盾の語のようだな」
霽月
「しかしここで交わるは刀と刀」
鴟尾 鴞字郎
「後の作品の方が優れてる、とは思わねえかい?」
霽月
「かもしれん」
霽月
「さりとて、交じり合う定めは変わらん」
霽月
「ただ意気を持ってぶつかるのみよ」
鴟尾 鴞字郎
「……ふん」
鴟尾 鴞字郎
「少し話しすぎた」
鴟尾 鴞字郎
「おめえとは、関わらずに終わりたかったんだが」
鴟尾 鴞字郎
「ままならねえもんだな」
霽月
「十分だろう」
霽月
「望みは果される」
鴟尾 鴞字郎
「最後にひとつ言えるのは……」
鴟尾 鴞字郎
「おいらには関わるな。それだけだ」
鴟尾 鴞字郎
霽月に感情判定 特技は拷問術で
GM
了解です。判定をどうぞ。
GM
とげとげした感情判定
鴟尾 鴞字郎
2D6>=5 (判定:拷問術)
ShinobiGami : (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
GM
ETを
鴟尾 鴞字郎
ET 感情表
ShinobiGami : 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
鴟尾 鴞字郎
侮蔑
霽月
ET
ShinobiGami : 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
鴟尾 鴞字郎
を取ります
霽月
不信で。
GM
了解です。霽月は不信、鴞字郎は侮蔑を取得しました。
鴟尾 鴞字郎
GM
GM
はい。
GM
「化粧応神」第四夜はこれにて終了。
鴟尾 鴞字郎
イッウェ~~~イ
GM
次回第五夜は明日より、メインフェイズ第三サイクル、霽月の手番から再開といたしましょう。よろしくお願いします。
GM
本日はお疲れ様でした!
境 仁悟
お疲れ様でした~
鴟尾 鴞字郎
ありがとうございました!
境 清花
お疲れさまでございました
GM
いや~~
霽月
お疲れさまでした。
GM
ありがたかったな~ お疲れ様でした