■導入フェイズ
【GM】
これよりシノビガミシナリオ『傷痕』開始したいと思います。
よろしくお願いします。
■PC紹介
【GM】
本編開始の前に、キャラクター紹介を行いたいと思いますw
PC1さんからお願いできますか?
PC1:花冠
PC1:花冠(カカン)
花冠という名の流れのマタギ。
ふらり辿り着いた山里に住み着き、狩りをして生活し始めてからもう随分長い。
本名を告げず過去も語らず、それでも村人に疎まれることなく暮らしているのは、
偏にその狩りの腕前のためか、はたまた鷹揚なその気風のためか。
狩人としては致命的なことに左目の視力を失っている。
一方で天候すら操り山を駆け抜ける技量は、その欠点を補って余りある。
●年齢:23 ●性別:男 ●表の顔:狩人
●流派:鞍馬神流 ●信念:律
●特技:《身体操術》《走法》《刀術》《罠術》《見敵術》《異形化》
●忍法:【接近戦攻撃《刀術》】【浮足】【誘導《走法》】【頑健】【血断】
●背景:≪末裔≫≪侵蝕≫
使命:PC2を仕留める。
導入:この一帯を根城とする狩人はあなたの他にも幾人かいるが、その中でもあなたの腕前は群を抜いている。
しかしそのあなたですら取り逃がす程、PC2は手強かった。
PC2は今も生きており、復讐の機会を伺っている筈だ。
狩人の誇りにかけて、今度こそ獲物を仕留めるべく、あなたは追跡を開始した。
【GM】
はかなげな雰囲気の人ですね。……侵蝕があるのが恐ろしい……!
≪侵蝕≫とは、そのPCの生命点が0になった瞬間に強制的に死亡することになる弱点背景である。
生命力が0になっても死亡か脱落を基本的にPLが選択できるシノビガミに於いてはそれなりに大きな意味を持つ。
【花冠】
下位に興味はねぇ! 誇り高き上位で詰めるぞ!! した結果がコレです。
微妙に世捨て人の感が漂ってたり妙に達観してたりしますが まあそんな具合で振舞いたいとおもいます。
村人との交流は断ってるわけではない感じ。そこまで積極的に関わりには行きませんが。
【GM】
大丈夫、村の人たちはみんな良い人たちだから
【花冠】
だいたいそんな感じでよろしくお願いしまーす。
PC2:フィン
【フィン】
PC2、フィンヴェナハです 人が付けたか、自ら名乗ったか、耳慣れない名前
PC2:フィンヴェナハ
嘗て竜は
空を支配し
山の頂きより
遥か上方より下界を見下ろし
地を這う者共を嘲笑い
気の向くまま蹂躙し
腹の空くまま喰らった
今や王者の面影無く
自らもまた地に這い蹲り
天より追放されし存在と相為った
彼の暗き瞳に映るは
憎き狩人か、己の傷痕か、それとも――
●年齢:不明 ●性別:雌 ●表の顔:片翼の竜
●流派:隠忍の血統(凶尾) ●信念:我
●特技:《身体操術》《骨法術》《潜伏術》《対人術》《異形化》《憑依術》
●忍法:【接近戦攻撃《異形化》】【飛魂】【獣化】【風饗】【逆鱗】
●背景:≪魔人≫≪忍具追加≫≪死者の声≫
使命:PC1に復讐する。
導入:この一帯を住処とする鳥や獣は沢山いるが、その中でも、あなたは群を抜いて強い。
しかしそのあなたですら傷を負ってしまう程、PC1は手強かった。
PC1は今もあなたを仕留めるべく、痕跡を追っている筈だ。
人間如きに負ける訳には行かないと、あなたは復讐の機会を伺い、森の奥に身を潜めた。
【フィン】
という訳でドラゴーンです! 嘗ては大空を舞う飛竜でしたが、PC1との遭遇により片翼を失ったという設定に…
したいのですが、大丈夫でしょうか?
【フィン】
もうあの空には戻れない! 許さん! コロス!
【GM】
片方の翼をもがれたのですね。では、導入は翼をもがれたシーンからにしようかと思います
【フィン】
はーい! どうしましょ、竜とはお喋りします?
【GM】
二人とも忍者なので、忍び語りでコミュニケーション取れることにしますね
【フィン】
仕事人らしく、黙ってお仕事してくれても良いですよ! ガオーガオーッと襲い掛かりますね!
■プロローグ
【今回予告】
──仕留めた筈であった。
だが、狩人の放った渾身の一撃を受けても尚、獣は倒れることなく何処かへと姿を消した。
狩人は逃した獲物を仕留めるべく山に分け入り、獣は痛みに耐えながら復讐のときを伺い続ける。
シノビガミもシナリオ『傷痕』。
逃れることなど、出来やしない──。
【GM】
さてフィンさんに質問。翼をもがれたのはどういう状況でしたか?
【フィン】
では、自らの縄張りである山中にて、我が物顔で狩りをするマタギを恐怖に染めて食らってやろうと、彼の狩りの最中に乱入します
【花冠】
じゃあこっちの領域に入ってくるわけですね。
【フィン】
もちろん、でも彼女にとっては、山の中すべてが自分の領域の認識ですので警戒もせず
【フィン】
見た目としてはオーソドックスな、長い首にずんぐりした胴体と尻尾がついたドラゴンです
【花冠】
ではようこそ、暗雲立ち籠めるマタギの狩場へ。
【GM】
では花冠さん、あなたが追っていた熊は山の暴君として知られる通称赤兜
凶暴な人殺しの熊として知られていたソイツも、あなたにとっては痩せこけた兎を狩るのと大差ない
【花冠】
常のように仕掛けた罠で足を奪って、
振り下ろされる牙も爪も、紙一重で掻い潜って喉元を貫く。
【GM】
赤兜「ガォォォォォォォォォォ!」
罠にかけられ、怒りの吠え声を上げる人食い熊
【花冠】
その咆哮ごと断ち切りましょう。
刳り抜き振り払い、獲物の身体を地に落とす。
【GM】
赤兜「ゴァ――…………」
どさり。
凶暴な人食い熊は一撃で事切れ、物言わぬ肉の塊となった。
【花冠】
返り血も雨に流され薄れていく。
獲物の絶命を手応えで確認して、されど未だ気は緩めない。
――まだ、いる。
このような野生の獣とは根本から格の違う存在が、この領域に存在している。
【フィン】
悠々と、己の存在を隠しもせず、否誇示するかのような、巨大な翼をはためかせる音が遠方より、次第次第に近付いて来ます
【花冠】
雨粒が笠を濡らし落ちる。無表情の末に眼光は緩めぬまま視線をあげて、
じきに隻眼がその姿を認めるのでしょう。
【フィン】
それはマタギの眼からも優に確認できる、巨大で破壊的な存在
それは、先ほど熊が倒れた地点の真上まで来るとはばたきをやめ、まるでブレーキをかける事もなく、真下の赤兜上へと着地しますよ
【花冠】
ころころと彼の周囲を雨粒が不可思議に転がり弾けて、
衝撃に従って地面へ散る。
「……大層なご来客だ」
【フィン】
死んだ熊の肉が潰れ、血潮が周囲に撒き散らされ、雨粒と混ざります
竜は、マタギが今しがた仕留めた獲物の矮小さを知らせるように、その亡骸を脚で踏みにじりながら、首を揺らしマタギを見つめます
【花冠】
動じはしない。視線を返す。
「何用かね、隠忍よ」
【花冠】
「さてはて」
僅か目を細めたなら、
「……生憎、貴様に食わせる肉体は持ちあわせていないものでな」
緩やかに口端を吊り上げる。
【フィン】
「この辺りの肉は粗方味わいつくしてしまってな、無論人間もだが…」
「だが、お前のように己を強し信じ、それを打ち壊され逃げ惑う者の肉は、不思議と美味なのだ」
【フィン】
竜が口を開き、地の底から揺り動かすかのような咆哮を上げる 雨粒が弾ける
「なに、お前もすぐに分かってくれるさ… 小生意気な狩人風情が…」
【花冠】
雨粒が光る。
不規則な軌道で地へと落ちて、
「同じ言葉を返そう」
ただそれだけ。
【花冠】
指先で空を弾いたなら、銀光が雨粒を切り裂いた。
張り巡らされた罠が銀糸が、四方八方から竜へと殺到する。
【フィン】
「分かった」
「続きのお喋りは、お前の肉を齧ってからにするとしようか」
大きく翼をはためかせると、そのまま上空へと飛び立ち、銀糸を足元に避ける
【花冠】
であればワイヤーに引かれ、空から斧が降り落つる。
【フィン】
これも羽ばたき一つで避け、尾っぽでもって横合いから弾いてみせる
【花冠】
ざく、と斧が地に食い込み割れる。
その柄を蹴り上げ、狩人もまた空を駆けた。
【フィン】
「それだけか? お前に出来ることは では、お前の肉をいただくとするか」
竜は上空で反転し、勢いそのままマタギの胸倉に食らいつかんと、急降下してくる
【花冠】
「――否」
空を蹴り飛び上がる。
急な軌道転換に刃を乗せて、急降下に対するカウンター。
【フィン】
「なぁっ!?」
地を蹴る生き物はこれまで幾度も見、食らってきたが空を蹴る生き物は、翼あるものの他に見たことが無かった それが、油断の大元であった
決死の様で体をねじり、喉もとへと迫る刃を避けんとするが
【花冠】
その刀身は、竜の翼を抉り落とす。
(――一筋縄では)
いかないか、と、こちらも僅か眉を寄せる。
熊と同じく喉元を狙った一撃の筈だった。
【フィン】
片翼をもがれた竜は飛翔の力を失い、地面へと爆音ながら墜落する
【花冠】
もう一度空を蹴り、木の枝へと着地する。
浅いな、と眉を寄せて指先の糸を見下ろす。
意図を練る。
【フィン】
なくなった己の翼元を見やり、次いで苦痛に大声を上げ、マタギを睨みつける
【花冠】
「……ヒトに見下されるのは」
初めてだろうなと言葉を落として掌を引く。
【花冠】
手負い相手に今度は逃さぬと、風を切る音に遅れて鋼鉄の糸が。
【フィン】
地に落ちても、その強靭な体躯と脚力は失われない 素早く体勢を整え、その場から跳ね逃れようとする…
しかし、片翼を失った身体では、バランスも覚束ない 本来ならば余裕で避けられる銀糸の罠に体表を削られる
【花冠】
尾でも掠めたか。
その一撃はトドメには程遠い。
けれど、手応え。
【フィン】
長らく共に過ごした尾も先を切り取られ、無様な姿をさらしている
怒りの表情のまま、マタギの居る木へ飛びつかんと掛けようとするも、足をもつらせ、転げる
【花冠】
転げ落ちるその姿を冷たい瞳で見下ろして、背中に背負った弓を構えるが――
竜が転げた拍子に折られた木に。
傾き崩れるその木に襲われ、既の所で照準を外した。
舌打ち。
【フィン】
竜はマタギが体勢を崩したと見るや、己の死角にある切断された尾先を加えると、マタギへと向けて思い切り投げつけた
【花冠】
「――っ」
こちらにしてみればその一撃が致命となる。直撃するような無様は晒さないが、追撃の手はどうしても緩み。
無理矢理体勢を立て直すも既に遅い。
【フィン】
そのまま、次はしっかりを地面を蹴りつけると、マタギとは逆側へ 山中へと向かい駆け出した
「貴様の顔… 臭い… 声… すべて、覚えたぞ… 見ていろ… 次は油断せぬ…」
【フィン】
ぼろぼろに刻まれた身体を引きづり、自らの血を地面にべったりと残しながら、竜は山中へと消えていった
【花冠】
放った矢は真実空を切り、残さるるはその怨嗟ばかりか。
雨に打たれ立ち尽くす狩人の姿を見るものはなく
ただ夥しい赤ばかりが、逃した獲物の足跡となっていた。